楓に囲まれた階段を上り、地中海へ。「リラブル」は店主の大崎正和さんが4年前、61歳で開いたフレンチレストランです。それまではファストフード会社のサラリーマン。早期退職し、「フランス語を勉強して、独学で料理を覚えた」そう。バイタリティーに頭が下がります。

店内は1㍍の高さに窓。そこから周囲の緑が見渡せて、森の中にいるよう。

前菜が運ばれて来ました。七角形の皿に3品。ローストビーフ、ピーナッツオイルを使ったカツオのマリネ。そしてペコリーノロマーノとグラナ・パダーノ、2種のチーズを使ったリエットです。最初から手が込んでいますね。

しかも、大崎さんの丁寧な解説付き。料理が好きで好きでたまらない、という熱い気持ちが伝わってきます。

続いて、メインの前の一皿「アントレ」です。これが最高に美味しかった。鶏肉を使ったパテ・ド・カンパーニュ、ニシンのマリネ、バターナッツカボチャのブルーテ。

ランチコースのメインはお魚、お肉、ラグーの3種から選びます。

一番人気のラグーを注文しました。佐賀牛のすね肉を82度で8時間煮るそうです。これは大崎さんがお肉を柔らかく食べさせるために試行錯誤して見つけた黄金比。お肉は箸で切れるほど柔らかくて、濃厚なデミグラスソースとよく合います。

こちらのお店、完全予約制です。料理、空間、そして学生時代、西洋史を勉強してきた大崎シェフの楽しい話を独り占めできちゃいますよ。