畑の野菜で和のフレンチ
我ん家（ワレンチ）

迷い道をくねくね行って到着しました。粕川町の住宅地の一角。でも迷っても、絶対に後悔しないお店です。

店内はキッチンを囲むカウンター席7つと、6人まで入れる和室1つのみ。ランチは3組限定、ディナーは1組限定、予約必須です。そしておまかせコースのみです。

オーナーシェフが畑で育てる様々なヨーロッパ野菜と、淡路島や富山から仕入れる魚や肉を使った和とフレンチのフュージョン料理を食べられます。

前菜はオールドノリタケの大皿に6つの小鉢が乗って登場。一品一品ていねいに説明してくれます。太刀魚はトマトとバジルに漬け込んだ醤油でいただきます。ゴーヤの酢味噌で和えた鱧の湯引きは感動の美味しさでした。

サラダは畑で熟成させたズッキーニ。自家製パンはオリーブオイルと先ほどのお醤油でいただきます。なにもかも初めて尽くし。おもしろ尽くし。全部美味しいから、言うことなしです。

メインは淡路和牛のほほ肉煮込みマスタードとズッキーニのソース。写真を撮るとき、和牛を手前にしようと思ったら「うちは野菜が主役なんでこっちが正面なんですよ」とシェフが直してくれました。

シェフは以前、東京・世田谷でレストランを経営していました。移住コンシェルジュのお陰で、前橋のこの地を知り、2020年3月ご夫婦で引っ越してきたそうです。

東京時代は、農家から宅配便で野菜を送ってもらっていましたが、どうしても収穫から1日はかかってしまいます。「自分で納得した野菜を育て、朝採りでお客様に提供できる。料理人にとってここは最高の環境ですよ」と日焼けした顔で話してくれました。

こういうのを贅沢っていうんだろうなーー。東京の友達に自慢できる名店を見つけた気分です。