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13人で始めたアマチュアオーケストラ
前橋交響楽団、10月4日に40周年の演奏会
2026.09.26
1986年に創立した前橋交響楽団は10月4日、昌賢学園まえばしホール(大ホール)で第38回演奏会を開く。「オーケストラをやりたい」。その思いから13人で始まった楽団は、40年を経て現在は約70人に。フルオーケストラ編成の曲も演奏できるまでに成長した。記念の年となる今回は、前橋出身のピアニスト、渋川ナタリさんと共演するほか、チャイコフスキーの大曲にも挑む。
(取材/柁原妙子リポーター)
聴き馴染みある名曲3曲で記念を飾る
ヴァイオリンパートに、指揮者の森重修実さんの朗らかな声が飛ぶ。
「その音は、今よりほんの少しだけ高めにしてください」
ピアノや管楽器とは異なり、奏者自身が音程をつくる弦楽器ならではの、繊細な調整だ。
▲森重さん
40周年を記念する今回の演奏会では、前半にシベリウスの「フィンランディア」とグリーグのピアノ協奏曲、後半にチャイコフスキーの交響曲第4番を演奏する。
いずれも、オーケストラを初めて聴く人でも楽しめる名曲ぞろい。演奏会での観客のアンケートと団員から寄せられたリクエストから、森重さんの意見も取り入れつつ、団員の投票で決めた。
グリーグのピアノ協奏曲は、曲名を知らなくても、冒頭の力強く劇的なピアノの旋律を耳にしたことがある人は多いだろう。
ソリストとして迎えるのは、前橋出身のピアニスト、渋川ナタリさん。2014年にも同団と共演しており、今年は上毛芸術文化賞(音楽部門)を受賞した。
クラリネット奏者で広報を担当する五十嵐恵美さんは、「渋川さんとは12年ぶりにご一緒させていただくので、私たちも楽しみにしています。アマチュアオケにとって、プロの演奏家と共演できるのはとてもうれしいこと」と話す。
▲渋川ナタリさん
団長でヴァイオリン奏者の田仲久人さんに、協奏曲とオーケストラだけで演奏する曲との違いを聞いた。
「主役を立てる協奏曲の演奏はとても難しいのですが、渋川さんとは一度共演したことがあり、気心が知れているので、団としても演奏しやすいです。私たちは、引き立て役だけにとどまらす、渋川さんを支えながら前橋交響楽団らしい音色をお届けできるよう頑張ります」
▲チャイコフスキーではコンサートマスターの田仲さん
後半のチャイコフスキー交響曲第4番は全4楽章、演奏時間は約47分に及ぶ。
「技術的にも体力的にも厳しい曲」と五十嵐さん。同団にとっては初挑戦となる難曲だ。
「特に第1楽章はアンサンブルの構成が複雑です。音楽を崩さないよう、みんなで心を一つにして演奏します」
▲五十嵐さん(中央)
「仲間と、オーケストラがやりたい」
前橋交響楽団が結成されたのは1986年。仲間内で「オーケストラをやろう」という機運が高まり、13人でスタートした。
指揮を依頼したのが当時、群馬交響楽団のトランペット奏者だった森重さんだった。団員の一人が森重さんからトランペットのレッスンを受けていた縁がきっかけだった。
それから40年。アマチュアオーケストラでは常任指揮者を置かず、演奏会ごとに異なる指揮者を招くケースも少なくない。
「オケで同じ指揮者が何十年もというのは、ねえ」と森重さん。
五十嵐さんは、「多くの団員が長年続けているのは、森重さんの温かい人柄と卓越した指導力によるところが大きい」と話す。
結成当初からの団員の一人で、副団長を務めるヴィオラ奏者の佐藤利弥さんと森重さんは、団の雰囲気を和やかに説明する。
「我々は仕事第一でやってきました。練習を休んだからといって、とがめられることはありません。休んだ分は自分で取り返す。“みんなで楽しく演奏する”のがモットーです」
▲森重さん、五十嵐さんと創立当時のメンバー
現在の団員は高校生から80代までと幅広く、平均年齢は40〜50代。社会人を中心に、さまざまな職業の人が集まり、音大卒の団員もいる。男女の割合もほぼ半々で、穏やかで落ち着いた雰囲気だ。
コロナ禍を経て若い団員も増えた。今回の演奏会は75人で演奏する。
「オーケストラがやりたい」と13人で始まった前橋の楽団は、40年をかけてフルオーケストラ編成の曲を奏でるまでになった。
節目の舞台から、また新たな歴史が始まる。
前橋交響楽団 第38回演奏会
日時 10月4日日曜 開場13時15分、開演14時
会場 昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)大ホール(前橋市南町3-62-1)
入場料 500円 全席自由
曲目
シベリウス 「 フィンランディア」作品26
グリーグ ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
チャイコフスキー 交響曲第4番 ヘ短調 作品36


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