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赤城・小沼 渇水が深刻化
粕川への放水、不可能な状態
2026.05.25
赤城山・小沼の渇水が止まらない。2025年7月ごろから水位の異常低下が確認されているが、山頂付近は冬季にまとまった積雪がなく、渇水がさらに深刻化している。例年、5月中旬から粕川へ田植え用に放水しているが、取水口まで湖水が届いておらず放水は不可能。昨年は取水できており、今年は昨年以上に水位が下がっている。このままの状態が続けば、生態系や景観への影響も懸念される。
雪解け水少なく水位低下
小沼は赤城山の噴火で生まれた標高1470㍍にある火口湖。流入する河川はなく、水源は雨水と湧水に限られている。南岸に水門と水路が設けられ、粕川の水源の一つとなっている。
小沼の周囲には1㌔ほどの遊歩道がある。水量が豊かなときは遊歩道近くまで湖水で満たされるが、現在は10~50㍍ほど後退、剥き出しになった湖底が広がっている。
▲2024年7月27日の小沼
▲2025年7月27日の小沼
例年であれば、雪解け水で4月下旬から5月にかけては水量が豊富にある時期。だが、今年は冬季に山頂部の降雪量が少なかった。
赤城山第一スキー場は例年、12月下旬から3月中旬まで営業しているが、今季は2月20日で営業を終了した。
湖水が水門まで届かず
粕川への放水は例年、田植え用に5月中旬から2カ月程度行っている。粕川町室沢区自治会は昨年、5月19日から2カ月間、水門を4㌢ほど空けて取水した。
今年も5月26日に取水のため水門を開ける予定でいる。
だが、前橋新聞me bu kuが5月18日に現地を調査したところ、湖水は水門の30㍍以上手前までしか届いておらず、取水は事実上、不可能となっている。
▲すっかり干からびている水門付近の湖底
▲しばらく水が通っていない水路
▲粕川に続く用水もカラカラ
星野良一自治会長によると、田植え用の需要は群馬用水からの取水で賄えるという。ただ、夏場に向けてさらに農業用水の需要があり、「群馬用水が取水する利根川上流で渇水が起きれば影響は出てくる」と懸念するとともに、「これまでずっと小沼から水が流れてきた。取水できないのは悲しい」と嘆く。
手つかずの自然に影響
赤城山頂は今年4月、大沼湖畔に待望のスノーピーク赤城キャンプフィールドが開業した。同時に鳥居峠には糸井重里さん率いる「ほぼ日」の「ほぼの駅AKAGI」が誕生、かつてない観光客でにぎわっている。
一方、小沼は手つかずの自然が残り、癒しスポットとして親しまれている。5月下旬にはミツバツツジ、シロヤシオが咲き、散策の目を楽しませてくれる。
魚類や両生類の生息も確認されているが、このまま渇水が続けば、深刻な影響を及ぼしかねない。


