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「前橋は書作の原点」
閑野忍さん故郷で初の個展
2026.05.03
前橋市出身の書家、閑野忍さん(65)=埼玉県鴻巣市=の書展が5月3日、昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)で始まった。半世紀にわたる書業の節目として、「書作の原点」という故郷で初めて開く個展。「宇宙との共振」を夢見て酒で表面意識を麻痺させて書いた20代から色彩を用いた漢字かな交じり書に取り組む直近までの111点を発表している。9日まで。
宇宙との共振 夢見た20代
入口正面には20代半ばに書業への決意を表明した「山谷不顧」など屏風にしたためた3枚の書が並ぶ。
▲入ってすぐに出迎える3点の屏風
周囲に並ぶ20代の作品群「コズミック・ダンス」は大量の酒を飲み、腹の底から噴き出すままに線を引いた作品。
「シラフで書くと、上手に書こうと意識してしまう」と数年間、このスタイルを貫いた後、「山、谷、顧みず」と記して、けじめとした。
▲故郷での初個展を喜ぶ閑野さん
30代は10代と同じく臨書をもとにした古典的な書を書き続け、40代は隷書、50代は行書の走り書きに取り組んだ。
60代になってからの漢字かな交じり書の代表作「黄河九曲」は5年寝かせて粒子を大きくした墨に日本画用の青い墨を混ぜ、にじみの部分が青色になるよう仕上げており、絵画のよう。
▲青い墨がにじみ、絵画的な書
中学の同窓会の想い出
近作を集めた奥の展示には宮沢賢治の作品の1部を書いた3連作が並ぶ。
真ん中に置いた作品は2025年9月に開かれた前橋第四中学校の同窓会で感じた思いから、「まずはもろとも かがやく 宇宙の微塵となりて 無方の空にちらばらう」と記した。
「みんな、それぞれの場所で輝いていることに感動した」と振り返り、個展の始まる前、会場設営に協力してくれた同窓生に最初に観てもらった。
故郷での初の個展について、閑野さんは「小学4年から書道を習い始めた前橋は私の書作の原点。ぜひ、多くの方にご覧になっていただきたい」と観覧を呼び掛けている。
▲宮沢賢治の作品を基にした3連作
閑野さんは群馬県立前橋高-東京学芸大書道科卒。埼玉県立高校の書道科教諭を務めながら、書家活動に励んでいる。
▲20代の「無題」と名付けた戯書
▲「地味だが、しっかり書けた」大吉
閑野忍書展
- お問合せはこちら
- 027-221-4321(前橋市民文化会館)
| ・会期 | 2026年5月3日~9日(7日は休館) 10時~19時(最終日は15時) |
|---|---|
| ・会場 | 前橋市民文化会館展示室 前橋市南町3-62-1 |
| ・入場 | 無料 |


