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前橋からホールが消える
市民文化会館、来年7月から工事
2026.03.01
昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)は2027年7月1日から2029年3月31日まで、改修工事のため大ホールと小ホールが同時に閉鎖されることになった。群馬県民会館、前橋テルサと大きなホールが続々と姿を消し、前橋市内からホールが1年9カ月間にわたってなくなる異常事態となる。
1年9カ月、大、小ホール閉鎖
前橋市民文化会館はホールの照明や緞帳といった「吊り物」が老朽化しており、2026年度に改修設計し2027年7月に着工する。工事はホールと楽屋などの付帯施設で、展示ホールと「前橋空襲と復興資料館」は工事中も利用できる。
工事は当初、大ホールと小ホールを分けて行い、どちらかは利用できる状態にする予定だったが、前橋市文化国際課によると、「2つのホールが壁で繋がっており、構造的に分離して工事することができない」ことから同時に進めることになった。
▲前橋市民文化会館大ホール
▲前橋市民文化会館小ホール
大ホールは1200席、小ホールは600席ある。アーティストのコンサートから幼稚園のお遊戯会、小、中、高校生やサークルの演奏会といった音楽、演劇をはじめ、入学式や卒業式、企業・団体の式典や発表会など幅広く利用されている。
押し寄せる「ホール難民」
前橋市内には大胡シャンテマルエホール(前橋市民文化会館大胡別館)があるが、客席は483席しかない。舞台も奥行き9㍍、幅11㍍と小さく、小規模編成の発表に限られてしまう。
▲大胡シャンテマルエホール
前橋市内では県民会館の小ホールが2022年3月、大ホールが2025年3月で閉鎖。前橋テルサのホールも2023年3月に閉館となっている。
このため、前橋市民文化会館に利用が集中したほか、高崎市など近隣の自治体のホールに流れ込み、地元の利用者との摩擦を生んでいる。
前橋市民文化会館のホールが利用できなくなれば、さらに「ホール難民」問題が深刻化する。
▲県民会館大ホールを使った前橋第九合唱団のコンサート
▲県民会館小ホール
前橋市の小川晶市長は前橋新聞me bu kuの質問に、「前橋文学館にも小さなホールがあり、市民の日常の文化の発表ということで考えると、元気21のホールや各地域の公民館も利用できます。前橋は発表の場所は身近なところにむしろたくさんあるんじゃないかなと思っています」と答えている。
これに対して、演奏家の一人は「野球にたとえれば、敷島球場も市民球場も使えなくなったけど、高校のグラウンドがあるからいいでしょう、と言うのと同じ。ちゃんとした施設がないと、いいプレーヤーは育たない」と警鐘を鳴らす。
群馬会館の代替利用は
こうした中、注目されるのは県民会館の一時的な利用再開だ。
県民会館は山本一太知事が廃止・解体の方針を打ち出しているが、代わりに整備する「新たな文化拠点」に関しては方向性も定まっていない。
「大ホールは1年前まで稼働していたので、前橋市民文化会館が利用できない間だけでも再開するのは不可能ではない。県と市は県民、市民のことを最優先に建設的な協議をしてほしい」。音楽関係者は山本知事と小川市長の“英断”を期待する。


