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70人の外国人学生のまなざし
ナイトウカツさんの写真を特別公開
2026.02.26
前橋市在住の写真家、ナイトウカツさんによるポートレートプロジェクト「Behind Their Gaze,There Iam まなざしのむこうに私がいる」が、アッコラ日本語学院(前橋市千代田町)の3階で特別公開されている。9月開幕の前橋国際芸術祭での公式発表に先立ち、卒業を控えた学生たちのために実現した。会場には、東南アジアや中国などから学びに来た若者たちの静かで力強い視線が並ぶ。
(取材/阿部奈穂子)
異国で学ぶ若者の素顔
会場には約90点のモノクロ写真がランダムに飾られている。被写体はアッコラ日本語学院に通う20歳前後の学生70人。スリランカ、ネパール、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、インドネシア、中国など、さまざまな国から前橋にやって来た若者たちだ。
写真には緊張やためらい、誇り、やさしさ、不安、未来への意志がそれぞれの顔ににじむ。異国で学び、暮らし、卒業を前にした学生たちの時間そのものが、正面から写し取られている。
9月から始まる前橋国際芸術祭での公式発表に先駆けた特別公開は、卒業して今春、前橋を離れる学生もいることから、学校にいる今のうちに見てもらいたいと実現した。
4カ月かけて築いた距離
ナイトウさんは東京都生まれ。幼少期に父親の仕事の関係で前橋に移り住み、18歳で渡米した。ニューヨークで40年にわたり活動し、「West Side Rendezvous」「Once in Harlem」などで知られる。昨年、実家のある前橋に戻り、これからはこの街を拠点に創作を続ける。
今回の撮影は昨年9月に始まった。相手の内面を引き出すには、まず信頼関係が必要だという考えから、ナイトウさんは水曜と金曜の授業の切り替え時間に合わせ、4カ月にわたって学校へ通い続けた。写真を撮られるのを嫌がっていたウズベキスタンの男子学生にも、3週間かけて心を通わせ、ようやくレンズを向けることができたという。
この手法の原点は、ハーレムでの経験にある。差別や迫害の歴史を背負う人々の中に入り、自分を覚えてもらうまでの2年間、カメラを取り出せなかった。危険な街を歩き続け、受け入れられた瞬間に相手の目がやわらいだ。その体験が、今も写真の根にある。
「18歳でNYに渡り、右も左もわからない中でもがき続けた。そのときの自分の姿と学生たちの姿を重ねながら撮影した」。前橋で学ぶ若者たちのまなざしの向こうに、異国で生き抜いてきた写真家自身の記憶もまた映っている。
「Behind Their Gaze,There Iam まなざしのむこうに私がいる」
会期/3月4日まで
会場/アッコラ日本語学院3階(前橋市千代田町4-17-6)
入場無料
一般入場は平日13時~16時/入場前に1階事務室へ声掛け必要


