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【特別編・追いかけて雪国】
富山湾の恵み「鮨 大門」

2026.02.20

最初の一皿でつかまれた

 店の暖簾をくぐると、外の冷気がふっと遠のきました。ここは魚津市にある「鮨 大門」。食べログアワード2026でブロンズに輝いた寿司店です。カウンターは7席、小上がり2テーブルだけの小さな空間。どうしてもカウンターに座りたくて、2カ月ほど前から予約していました。

▲ネタケースに心躍ります

 新幹線で富山駅。そこからあいの風とやま鉄道に揺られ約30分。積雪はかなりのものですが、店前は丁寧に雪かきされていて安心します。

 若き大将、大門太郎さんのおまかせコースは22000円。富山の純米吟醸「林」を頼み、最初の一皿を待ちます。

▲フレッシュでフルーティーな「林」

 いきなり現れたのはベニズワイガニの身。下にはカニ味噌のジュレが忍ばせてあり、切子のガラス器が雪国の光を映します。続くめじまぐろの炙りは塩で。中の赤い身が美しく、香ばしさが際立ちます。

▲富山といえばカニでしょう

▲めじまぐろの炙り。初めての食感

 富山湾のトラフグの白子が登場しました。白子ソースに浮かび、まるでマシュマロのような口当たりです。禁断のうまさに思わず顔がほころびます。残ったソースに酢飯を入れてリゾット風に仕立ててくれる演出も見事。

 2月解禁のサクラマスの焼き魚を経て、いよいよ握りへと進みます。

▲濃厚でクリーミーなトラフグの白子

▲白子ソースにすし飯を入れて

凛とした寿司飯と冬の魚たち

 一貫目は小肌。縦に4本の切れ目が入り、煮きり醤油が控えめに塗られています。硬めに仕上げたすし飯は口の中でほろりとほどけ、脂のりの良さが際立ちます。ヒラメの昆布締め、細かな包丁が入ったイカには軽くゴマが振られ、今までのイカの印象を覆す味わい。

▲ツヤツヤした小肌

▲イカです

 旬のバイ貝に続いて登場したマグロの赤身は、大間のちょうど対岸にあたる北海道で水揚げされたものだそうです。旨味の密度が違い、噛むほどにじわりと広がります。甘エビ、味、大トロと続き、冬の王者、炙ったノドグロでは思わずため息が出ました。

▲身厚のバイ貝

▲甘エビのとろっとした食感といったら

▲大トロです

 ウニは手巻きで。地厚の海苔がパリッと鳴り、大好物に思わず笑みがこぼれます。締めはふっくら炊き上げた穴子。

 大ぶりの大アサリの椀が体を温め、デザートの塩プリンまで抜かりありません。

▲この海苔がいい

 雪の富山湾で出会った一皿一皿が、静かに旅の余韻になっていきます。

 若き大将・大門太郎さんの工夫と情熱、研ぎ澄まされた技、そして冬の富山湾の恵み。そのすべてが重なった時間は、ただ「おいしい」だけでは終わらない特別な体験でした。

▲デザートの塩プリンは女将さんの手作り

店舗情報

鮨 大門

お問合せはこちら
0765-32-5868
住所 富山県魚津市釈迦堂1-2-3
営業時間 17時~22時
定休日 月曜