interview
聞きたい
【特集 前橋×2025▶2】
全国からGo to Maebashi
奇跡のまちづくりに熱視線
2025.12.28
前橋市に6月、石破茂首相が突然と姿を表し、中心街を熱心に視察した。デジタル、地方創生の担当大臣、国会議員や全国の自治体の職員もこぞって前橋に集まった。政治家だけでなく、アーティストや建築家、若者の間でも注目されている。合言葉は「Go to Maebashi」。
シャッター街に謎の行列
シャッターを下ろした店が並ぶオリオン通り。「ラーメン二郎」と並び、行列ができる店が出現した。東京・祐天寺に本店を構える人気ブランドショップ「everyone(エブリワン)」の前橋店だ。
前橋市出身のファッションディレクター、三好良さんが2024年10月に1号店、今年10月に2号店を出店した。
店内には三好さんがプロデュースするシルエットにこだわった洋服やオリジナルの小物、雑貨が並ぶ。前橋限定の「ぼかし」ロゴを使った商品も人気を集めている。
▲高校時代に通ったオリオン通りに新店を構えた三好さん
祐天寺の店は完全アポイントメント制で1組1時間の枠を予約してもらうが、あまりの人気で数カ月先まで満員。これに対して路面店の前橋店は自由に立ち寄れるため、首都圏だけでなく大阪や北海道からもファンが訪れている。
▲双子蒸留所の共同経営者、二口圭介さんとジャン=リュック・カイギレさん
オリオン通りには空き店舗をリノベーションしたクラフトジンの「双子蒸留所」が5月に誕生した。金曜と土曜はカクテルも楽しめるとあって人気スポットになっている。
雑誌『ポパイ』も中心街特集
中心街では他にも前橋新聞me bu kuのデザインを手掛けるアートディレクター、ハイロックさんがスズラン新館2階をすべて借り切ってオフィスを兼ねた雑貨店「Chopstix(チョップスティックス)」を出店するなど、若者の遊び心をくすぐるスポットが続々とできている。
▲気になるグッズが並ぶハイロックさんの店
こうした動きはメディアの目にも止まり、男性向けのライフスタイル雑誌『ポパイ』は最新号、2026年1月号で前橋市を特集している。「前橋で、アートとファッションに触れる日帰り旅。」と題して、エブリワン、チョップスティックスやクラフトパスタの「GRASSA(グラッサ)」などを訪れた記事を3㌻にわたって掲載している。
▲前橋を特集した『ブルータス』と『ポパイ』=水紋
『ブルータス』も9月に発行した特別編集号でジンズホールディングスCEO、田中仁さんを特集する中で、前橋のまちづくりのキーパーソンを取り上げたり、人気の飲食店やショップを紹介している。
石破首相がやってきた
石破茂首相が視察に来たのは全国でも例のない民間主導で進む地方創生の動きを自分の目で確認するためだった。
経済人の有志でつくる太陽の会の寄付金をもとに前橋デザインコミッション(MDC)が事業主体となって整備した馬場川通りをはじめ、若者の出店が相次ぐ中央通りや弁天通りを歩いて見て回った。
視察を終えた石破首相は「(地方創生の)ロールモデルのネットワーク形成について議論する会議体を総理大臣のもとで立ち上げる。前橋の例を参考にしたい」と述べ、6月に「民主導による新たなまちづくり推進会議」を立ち上げた。
▲熱心に前橋市中心街を視察する石破首相=2025年6月
石破内閣でデジタル担当相を務めた平将明氏は4月、地方創生担当相の伊東良孝氏は8月に前橋市を視察。衆議院予算委員会は2月、安住淳委員長をはじめ15人を派遣した。
石破氏は参議院選後に退陣、首相は高市早苗氏に変わったが、前橋市の細谷精一副市長は「地域未来戦略に名前は変わったが、東京一極集中の是正、地方圏の経済力向上の流れは変わっていない。内閣府、国土交通省、総務省と情報交換をしている」と国とも連携した前橋のまちづくりが進むとの見解を示した。


