gourmet
食べたい
名のない料理でおもてなし
昭和レトロな裏弁天通り。ひっそりと灯る柔らかな光に誘われ扉を開けました。
70年前の建物を活かした店内はコの字型の木のカウンターだけ。フランスの下町にあるビストロみたいです(行ったことないけど)。天井から下がるランプシェードの飾りは写真のネガ。光が透けて、誰かの記憶がゆらゆらしていました。
▲手作りのランプシェード。飯島さんの作品も飾られています
メニューはありますが、ここでは食べたいものや飲みたいものを伝え、マスターの飯島浩さんに気分次第で出してもらいます。1人飲みの時はいつもそう。
▲ビール注ぎも達人。「缶が1番新鮮」と言い切る
まずはイタリアのビール「モレッティ」をいただきます。
「最初の一杯は僕が注ぎます。少し時間をください」。 そう言って缶からグラスへ3度に分けて静かに注ぎます。雪のような細やかな泡のビールがカウンターに置かれました。一口飲み、心の中で拍手。
最初の一皿はゴボウと長ネギを醤油ベースの出汁で炊いた「名のない料理」。サーロインの端肉とチーズも入っています。和なのか、洋なのか。まあ、そんなのはどうでもいい。ただ、美味しい。
▲皿に描いたアートのような料理
2皿目は豚ヒレ肉。「オリーブオイルで軽く焼いてからハーブの湯に漬けた感じ」の料理はブロッコリーポタージュの上に鎮座し、パン粉と蕎麦粉を炒ったトッピングが香ばしく踊ります。
▲料理に合わせてワインを出してくれます
合わせたワインはイタリア・サルディーニャ島の「ピエロ・マンチーニ」。洋ナシのような香りがふわっと広がり、料理を引き立てます。
▲玉子を2個使い、白身と黄身を別々に泡立てます
3皿目は「スフレリーマ」。やっと名前のある料理に出会えました。ふわふわのフランス風玉子焼き。 オニオンミルクのソースで軽く火を通したレタスが添えられ、バターの香りと卵の甘みが調和しています。
料理人とデザイナーの二刀流
最後に赤ワインをグラスで。銘柄は何だっけ。でも、楽しい時間だったことだけは覚えています。
飯島さんは調理人であり、テキスタイルデザイナーでもあります。芸術肌で料理も独創的。適度に距離感を取ってくれ、居心地の良さはこの上なし。「大人の秘密基地」。そんな空間へようこそ。
▲赤ワインを片手に語り合います
店舗情報
アトリエバー 3/4ビストロ AO
- お問合せはこちら
- 080-5930-3494
| 住所 | 前橋市千代田町3-9-13 |
|---|---|
| 営業時間 | 18時~翌2時(日曜は21時) |
| 定休日 | 不定休 |




