play
遊びたい
「はじめの一歩」を応援
人を紡ぐハンドメイドマルシェ
2025.11.03
夢をあきらめかけた人が、もう一度立ち上がる場所がある。ハンドメイドや焼き菓子、キッチンカーが並ぶ「マルシェ 紡―ツムギ―」が11月8日、前橋のROOMS STANDARDで開かれる。出店初心者や子育て世代の“はじめの一歩”を応援し、人と人のつながりを紬いでいくイベントだ。作品の向こうにある作り手の想いを感じながら、自分の次の一歩を探しに行ってみよう。
(取材/堀口知子リポーター)
「得意」を発揮できる場をつくりたい
このイベントを始めたのは2023年。主催の吉田あすかさんは、アロマトリートメントのセラピストとして働きながら、筋ジストロフィーを抱える息子を育てている。
病児の母親が社会とつながりにくい現実を痛感し、「得意なことを発揮できる場をつくりたい」との思いで、地域の仲間と手づくりのマルシェを立ち上げた。
一枚のチラシを手配りして始まった小さな挑戦は、今回で4回目を迎える。
▲明るい笑顔でちらしを持つ主催者の吉田あすかさん
共存が生む新しいつながり
吉田さんが掲げるキーワードは「共存」だ。販売だけで終わらず、人と人が出会い、助け合い、時に仕事へと発展する関係を育むことを目指している。実際、過去の開催ではイベントで出会ったカメラマンとヘアメイクが意気投合し、後にコラボ撮影を始めた。 今回は初めてInstagramで出店を公募。3~4人の新しい参加者が加わった。だが吉田さんは「SNSのつながりだけでは伝わらない温度がある」と話す。
「直接会って話すことでしか生まれない信頼や実感がある。だからこそ、人と人が顔を合わせる場を大切にしたい」と。
▲子どもも楽しめる出店がたくさん
▲大人の癒しの時間とスペースも確保
家族で楽しみ、次の一歩のきっかけに
紡―ツムギ―には、家族で過ごせる工夫が詰まっている。母親が施術や買い物を楽しむ間、保育を学ぶスタッフが子どもを見守る。消しゴムはんこやプラモデルづくりなど、親子で体験できるワークショップも多い。
吉田さんの夫も講師として参加し、家族ぐるみでイベントを支えている。
さらに今回は「マルシェ出店相談窓口」を設け、来場者が「自分も出てみたい」と思ったときに経験者へ相談できるようにした。
「見て終わりではなく、次の一歩を踏み出すきっかけになってほしい」。おむつ替えや飲食スペースも整え、子連れでも安心して過ごせる。
会場はコワーキングスペースも兼ねるROOMS STANDARD。
会場はコワーキングスペースも兼ねるROOMS STANDARD。「誰もが“ここにいて大丈夫”と思える場所をつくりたい」と吉田さんは言う。前橋の一角で、人と夢の糸がまた一本、静かに結ばれていく。
紡-ツムギーVo.4
日時/11月8日 11時~16時
会場/ROOMS STANDARD(前橋市元総社町823)


