田中敦子さん追悼展再び
ヒストリア前橋で８月31日まで

2025.08.06

　人気アニメ「攻殻機動隊」のヒロイン、草薙素子役を30年務め、2024年８月に急逝した前橋市出身の声優、田中敦子さんを偲ぶ追悼展がJR前橋駅北口の歴史エンターテインメント施設「ヒストリア前橋」で開かれている。８月24日には田中さんの後輩にあたる前橋女子高校ダンス部が追悼演舞を行い、大先輩の功績に光を当てる。８月31日まで。

優しい声聞けます

　追悼展は田中さんの62歳の誕生日となるはずだった2024年11月14日から今年３月31日まで開いた。国内だけでなく、中国から来場したファンもいたことから再び企画。今回は命日の８月20日を挟んで、夏休み期間中に開いている。

▲今回も遠方からファンが訪れている

　会場では出演した声優時代の活躍をはじめ、前橋女子高時代に所属していたダンス部の思い出、前橋BOOK FESや前橋花火大会への参加といった地域への貢献活動を写真や新聞記事、音声を駆使して紹介している。

▲声優時代の展示コーナー

　音声ガイドは田中さんの等身大のパネルの隣にあり、2022年８月の前橋花火大会でのナレーションを田中さんが話しているように聞くことができる。

▲パネルの横に立ちツーショットで写真を撮れる

▲２つのナレーションを聞くことができる

前女高ダンス部が追悼演舞

　前橋女子高校ダンス部の追悼演舞は８月24日10時から。部員有志が谷川俊太郎さんの詩「生きる」に合わせて天国の先輩に捧げる創作ダンスを披露する。前回の追悼展でダンスを披露した田中さんの１学年先輩の松村智恵子さんから指導を受けている。

　高校から始めたダンスについて、田中さんは前橋新聞me bu kuの取材で「言葉はいらないし、肉体だけで表現できるところが魅力。表現することの楽しさを思う存分教えていただきました」と語っていただけに、後輩のダンスを楽しんでもらえそう。

▲高校時代の思い出を写真とともに

　ダンス部の副顧問を務める仲谷真里さんも田中さんのダンス部の１学年先輩。「すらっと背が高く、美人でした。現役部員はストリート系が主流で私たちの時代のダンスとは違いますが、心を込めて表現してくれると思います」と期待している。

田中敦子

　たなか・あつこ　1962年11月、前橋市生まれ。南橘中－前橋女子高－フェリス女学院大卒。会社員を経て、東京アナウンスアカデミー声優養成コースに通い、27歳から声優に転身する。2020年、第14回声優アワード外国映画・ドラマ賞を受賞する。2024年８月、病気のため死去。享年61。