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前橋に元気 女子スポーツ
4チームと小川市長が座談会

2025.07.10

前橋に元気 女子スポーツ
4チームと小川市長が座談会

 女子スポーツの力で前橋を元気に-。前橋市を主な拠点に活動する女子スポーツクラブ、4チームの選手、スタッフと小川晶市長が7月10日、前橋市役所で座談会を開いた。参加者は全員女性。チームの現状、将来のビジョン、前橋市との連携について、女子会トークのノリで明るく本音で語り合い、チーム間の連携を深め女子スポーツ界と地域を盛り上げていくことを元気いっぱいに誓った。

レジェンド2人が金言

 4チーム8人がチームと自己紹介をした後、フリートークした。

 共通する悩みは男子スポーツクラブとの格差問題。共愛学園高出身のサッカー、大矢歩さんは「知名度が低く、観客が少ない」、前橋女子高生のラグビー、新井佑佳さんは「芝生のある練習場が使えない時がある。シャワー室もほしい」といった環境面の悩みを抱え、前橋市に協力を要請した。

▲試合前とハーフタイムで日焼け止めを塗る大矢さん(右)

▲小学生からラグビーを始めた新井さん。左は鈴木さん

 指導者として出席したバレーの斎藤真由美さんは17歳、サッカーの野田朱美さんは15歳で日本代表となったレジェンド。

 小川市長から「選手と監督で変わったことは」と聞かれ、齋藤さんが「制限が多く、恋愛禁止、甘い物禁止。わざとボールを外に出して水を飲みに行った」と現役時代を振り返ると、若い選手たちからは「えー」と驚きの声。

 「いまは女性が活躍できる時代。うちにも結婚してプレーを続ける選手がいる。そういうのが当たり前になっていくといい」と話すと、今度は拍手が起きた。

▲「勝つことにこだわりたい」と力を込める斎藤さん

▲「怒るので有名」と反省する野田さん

 若くして日の丸を背負うプレッシャーから「楽しくて始めたサッカーが楽しくなくなった」と打ち明けた野田さん。指導する立場になり、「サッカーを心から楽しんでと話している」と言いながら、「真剣にやらないと楽しめない」とくぎを刺す。

 齋藤さんはすかさず、「厳しさを追求して、結果を得る楽しさはその人たちしか分からない」と同調。すると、野田さんは「やっぱり同じこと言うじゃん」と笑いながら続けた。

▲今季からスタッフでチームを支える白岩さん

 斎藤さんの下で副キャプテンとしてチームを牽引、昨シーズン限りで現役を引退した白岩蘭奈さんは「2度移籍して、このチームにきた。トップカテゴリーで勝負する自分の夢がかえられた」と最後の花を咲かせた喜びを語った。

前橋から世界へ挑戦

 前橋市に移住して競技を続けている3×3バスケットの髙橋芙由子さんと井齋沙耶さんは「前橋の名前を負って世界で戦います」と7月末にアゼルバイジャンで開かれる世界大会への出場を報告した。

▲世界を目指し髙橋さん(右)と井齋さん

 小学生から社会人までが楕円球を追いかけるラグビーの鈴木陽子さんは「世界で活躍できる人材を育てたい」と語るとともに、「子供たちがいろいろなスポーツを体験できれば、新しい刺激を受け、新しい夢を求められる」と交流を提案した。

 中学までバレーボール部に所属していた小川市長は座談会を終え、「知名度や練習場のことで課題を聞かせていただいた。みなさん、スポーツにひたむきで、地域を盛り上げていきたいと言ってくれたので、これから一緒に取り組んでいきたい」と感想を述べた。

▲スポーツ事情に詳しい小川市長

女子スポーツチーム関係者座談会出席者

群馬グリーンウイングス(バレーボール)

齋藤真由美ゼネラルマネジャー

白岩蘭奈さん

バニーズ群馬FCホワイトスター(サッカー

野田朱美監督

大矢歩さん

群馬プライム(ラグビー)

鈴木陽子チームディレクター

新井佑佳さん

FLOWLISH GUNMA(3×3バスケットボール)

髙橋芙由子さん

井齋沙耶さん

 群馬グリーンウイングス 群馬銀行バレーボール部として1975年創部する。9人制を主体に活動し全国優勝44回。2015-16シーズンからVチャレンジリーグ2部に参戦、2018-19シーズンからV2に昇格。2023年10月、群馬グリーンウイングスに改称しSVリーグに加盟、2024-25シーズンは14チーム中14位に終わった。

 バニーズ群馬FCホワイトスター 2007年に発足した女子サッカークラブ、FCホワイトスターが母体。2021年、なでしこリーグ2部に参戦、翌年に1部へ昇格した。2024年は最下位となり2部に降格。3年ぶりに野田朱美監督を迎え再昇格を狙う今季は第18節終了時で勝点34(9勝7分2敗)の3位につけている。

 群馬プライムス 2022年2月に設立した女子ラグビーチーム。群馬県内の女子選手の普及、育成、強化を目指し活動する。メンバーは小学生から社会人まで。本年度のチームスローガンは「NEXT-UP」。「クラブとしても、選手ひとりひとりも次のステージへ向かっていく」という意味を込めた。

 FLOWLISH GUNMA 2022年4月に発足したバスケットの3on3チーム。翌年からプロリーグに参戦。2024-25シーズンは国内で好成績を修めるとともに、国際バスケットボール連盟(FIBA)が主催する世界最大規模の「ウィメンズ・シリーズ」で準優勝を果たした。