高原飯店
えっ、チャーハンにキューリ

鶏ガラと魚介とのWスープに背脂ちゃっちゃ系、二郎系に清湯タイプと、どんどん進化するラーメン業界。でも、昔から変わらぬ味ってのもいいですよね。半世紀、同じやり方を通している頑固な店です。

１番人気のAセットをご紹介します。ラーメン、チャーハン（半分）とギョーザ。この店の黄金トリオと言っていいでしょう。

醤油味のラーメンは23歳の麺喰い２代目（息子）が「あー、懐かしい」とのたまう味です。鶏ガラと豚骨、野菜でじっくり取ったスープ。中太の縮れ麺。具はメンマ、ワカメとノリ。チャーシューはなし。このシンプルさがいいんです。

ギョーザはもっちもちでパリパリ。麺は製麺所から取り寄せていますが、ギョーザの皮は一つ一つ手で延ばしています。ニンニク強めの具もお見事。

さて、この店の真打ちは実はチャーハン。チャーシューにハム、ナルト、卵、ネギに加え、何と粗みじん切りしたキューリが入っています。最初はグリーンピースでしたが、残されることが多く、同じ緑色のキューリに変えたところ、これが大ヒット。生に近いキューリの食感が「あれっ」と思わせます。

麺類の単品なら、タンメンがお薦め。キャベツ、ニラ、ニンジン、モヤシの炒め具合が最高のシャキシャキ。野菜の甘みがスープに加わります。

村井晃さん、喜代美さんご夫妻で切り盛りする小さな店。「台湾出身の料理人から教わった。進歩がないと言われようが、ずっと同じやり方。もう変えられないよ」。ぜひ、変えないでください。