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学びたい

ブラジリアン柔術やろう
前橋市内に2教室が誕生

2025.05.28

ブラジリアン柔術やろう
前橋市内に2教室が誕生

 寝技を主体とするブラジリアン柔術が静かなブームとなっている。「マット上のチェス」と呼ばれるゲーム性の高さ、打撃が禁止され安全に取り組める敷居の低さが魅力。格闘技に興味を持つ若い男性をはじめ、健康志向の中高年や女性の間でも愛好者が増えている。前橋市内にある2つの道場を見学した。

究極の「柔よく剛を制す」

 「コンバッチ(はじめ)」。レフェリーの掛け声でスパーリングが始まった。すぐに寝技になり、互いに相手の背後に回り込もうとしたり、関節を極めようと試みる。

 開始から3分後、黒帯を付けた上級者が絞め技を掛けると、中級者の青帯はたまらず床を2回叩いてタップ(参った)。涼しそうな勝者に対し、敗者は汗だく。それでも、格闘技の敗者が受ける痛みやダメージは見られなかった。

 赤城南麓にある「SPANDAU(スパンダウ)」は今年3月にできた。

 オーナーで指導にあたるのは国内の大会で数々の優勝経験がある塚田市太郎さん(45)。日系ブラジル人の多い伊勢崎市内の道場で指導補助をしていたが、道場が閉鎖されたため自ら開設した。

▲SPANDAU代表の塚田さん

 165㌢と小柄な塚田さん。それでも、スパーリングでは自分より大きく力の強い相手も自在にコントロールする。

 「究極の『柔よく剛を制す』です。戦略とテクニックで勝負できるのがこの競技の面白さ」と語る。

 ジムには13人が登録、うち3人は女性だ。塚田さんを補助する深津佐和子さん(沼田市)は黒帯を締め、昨年、世界大会で優勝した。

 野村優美さん(渋川市)は夫の颯さんと3年前から始めた。「痩せるのが目的だったけど、筋肉が付いて体重は変わらない」と苦笑いしながら熱心に練習する。

 小学1年から社会人まで柔道一直線だった颯さんは「柔道とかなり違う。難しく、それだけ面白みがある」とはまっている。

▲SPANDAUのメンバー

 練習は週4回、19時30分から2時間行う。

 「体を動かしたい。格闘技に興味がある。動機はさまざまだが、みな奥深さにひかれる。護身術にもなります」と塚田さんは体験を呼び掛けている。

県内全域から通える立地

 前橋市北部の田園地帯に2階建ての建物がぽつんとある。ダンススタジオだった施設に4年前、トライフォース前橋が開設された。国内外に展開するブラジリアン柔術アカデミーに所属している。

 代表の阿部光太郎さん(39)は鍼灸師との二刀流。昼間、渋川市で経営する鍼灸院で働いた後、夜間にここで指導にあたる。

▲トライフォース前橋代表の阿部さん

 会員は15歳から64歳まで約50人。7割は柔道などの格闘技経験のない初心者だったが、トライフォースのネットワークを生かした最先端の指導を受けて着実に力を付けている。

 高崎アリーナで2月に開かれた全日本マスターズ選手権では7人が出場、2人が金メダル、3人が銀メダルに輝いた。

▲トライフォース前橋のメンバーたち

▲全日本マスターズ選手権での様子 ©JIU-JITSU NAVI

 駅前のジムで仕事終わりに練習できる都内に比べると、競技人口は格段に少ない。車社会の群馬県での普及に向けて、阿部さんが目を付けたのは上武道路や国道17号、関越自動車道にアクセスしやすく、県内全域から通いやすい立地だ。

 「選手人口はまだまだ伸びる。魅力を発信し、すそ野を広げ、前橋をブラジリアン柔術の聖地にして盛り上げたい」と夢見ている。

店舗情報

SPANDAU

住所 前橋市荻窪町1231-8
ホームページ https://www.instagram.com/spandau958/

店舗情報

トライフォース前橋

住所 前橋市田口町1230-3
ホームページ https://www.tf-maebashi.com/