デイの送迎 介護タクシーで
ソーシャルムーバーが事業発表

　ソーシャルムーバーは介護施設と介護タクシーをマッチングさせるプラットフォームの役割を担う。施設から利用者の送迎の依頼を受けると、提携先のタクシー事業者に送迎を手配する。
　北嶋社長の説明によると、デイサービスなど通所型の介護施設では送迎が業務の３割近くを占め、事故のリスクや従業員の負担となっている。同社の事業を利用することで、こうした問題が軽減されるほか、人件費や経費を削減する効果がある。
　さらに、朝夕に集中する送迎業務で利用者と介護タクシーが馴染みになることで、デイサービスを利用しない日の日中の買い物などで介護タクシーの利用が見込まれ、利用者の生活の利便性が高まり介護度の改善が期待されるとともに、介護タクシーの収入増につながる。

　北嶋社長は「深刻な介護人材不足を解決し、同時に移動弱者問題も解決できる。補助金には頼らず、地域の課題を地域の力で解決することを目指している」と強調した。
　発表会には事業を利用している介護施設の職員と介護タクシーの事業者が同席、80人の送迎を依頼している施設の職員は「プロのドライバーに送迎をお願いでき、安心している。職員の残業も少なくなった」と効果を話していた。

　ソーシャルムーバーは2023年１月に設立したベンチャー企業。群馬県の「ぐんまスタートアップアクセラレーションプログラム」にも採択されている。
　資金調達は1982インパクトファンド（東京都港区赤坂）がリード投資家となって完了した。ケアドライブ事業の確立、近隣県への拡大を図る。