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心癒すオーボエと詩の共演
佐藤さん演奏、青柳さん朗読

2024.10.05

心癒すオーボエと詩の共演
佐藤さん演奏、青柳さん朗読

 「佐藤美香 オーボエコンサート 癒しの空間」が10月5日、前橋文学館ホールで開かれた。死や別れを綴った悲しい本、詩の朗読に合わせて、オーボエが哀愁を帯びた音色を響かせた。朗読の話を頭に描きながら優しくて切ない演奏を耳にし、目頭をそっと抑える人もいた。

悲話を朗読、続けて演奏

 不治の病に侵され、大好きな彼女の将来を思いやって自ら別れを告げながら死の直前まで彼女のことを書き続けた「彼の残した日記」。愛する娘の卒業式に出たくて懸命に闘病した母親の姿を描いた「がん余命3カ月」。悲しくて辛い実話を青柳美保さんが感情を抑えながら淡々と読み上げた。

▲心を込めて朗読する青柳さん

 余韻が残る舞台で佐藤さんがオーボエを手に、『さくら』、『瑠璃色の地球』、『木蓮の涙』といった名曲を奏でた。歌詞はなくても、人間の声に近いとされるオーボエの深く豊かな中音域や暗く渋味のある低音域の音色が聴衆の心に染み入った。

 休憩を挟み、合計10曲を演奏。すっかり目を腫らした人もいて、感動の舞台となった。

▲癒しのメロディーを奏でる佐藤さん

 横浜から前橋に移住したインテリアカウンセラー、いそがやふきこさんの講演「『こころで感じる』生活空間の提案」、ブックカバー作家、Hiroさんの革製品の紹介も行われた。

▲「床の間」の大切さを訴えるいそがやさん

▲パソコン用の革製バッグを手にするHiroさん