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夫婦で焼く50種類のパン
ぱんや「やまの如く」18日オープン
2024.06.12
パン王国、前橋にまた一つ、名店が生まれる。和菓子店「新妻屋青柳大師店」の跡地に6月18日、ぱんや「やまの如く」が開業する。経営はともに34歳のパン職人、山村栄人さん、知世さんご夫妻。ハード系を中心に、デニッシュ、サンドウィッチ、米粉パンまで幅広い品揃えで1日に50種類を焼く。
(取材/阿部奈穂子)
国産小麦とこだわり素材
白壁に瓦屋根、和のたたずまいにユニークな暖簾がかかっている。「夫の顔と、彼が特にこだわっているフランスパン、食パン、プレッツェルを線画でかきました」と奥様の知世さん。
店内は昭和を感じさせるアンティークなライトや家具が飾られ、中央には和菓子屋時代に使われていた大きなショーケース。そこにたくさんのパンが並ぶ。「古民家風のパン屋を開きたかった」、二人の理想どおりの店が出来上がった。
パンは国産の小麦粉や赤城南麓で平飼いされる「つのだ養鶏」の卵など、素材にこだわる。発酵具合や生地と具のバランスなどに注意を払い、一つひとつ丁寧に焼き上げる。
ハード系のパンや食パン、デニッシュ類は栄人さん、サンドウィッチ類と米粉を使った動物パンは知世さんが担当する。
「米粉8割のパンは、アトピーを持つ4歳と6歳の息子を思って作っています」と知世さんはママの顔をのぞかせる。
バケットトラディショナルは1本250円、総菜パンは200~300円台と毎日食べられる手ごろな値段も魅力だ。
「グランボワ」での間借り営業を経て
前橋市出身の知世さんと青森県出身の栄人さんは、勤務していた神奈川県のパン店で出会った。同期入社だった。
結婚後は知世さんの実家、前橋市に移住。川原町の人気パン店「グランボワ」で働きながら、「いつかは夫婦で店を持ちたい」と夢を膨らませていた。
二人の想いを後押ししたのはグランボワの社長、高木宏直さんだった。「店の定休日に、自分たちのパン屋を開いてみたいのですが…」。唐突なお願いに気持ちよくOKを出して応援してくれた。
2023年4月から6月まで月2回の割合で行った間借り営業。これが自信につながったという。
難航したのは新店舗探しだった。「和風な構えの店舗を借りたい」と探したがなかなか見つからない。
そんななか、2023年7月末、新妻屋青柳大師店の閉店をネットで知った。「外観を見に行ったら理想通り。こちらのお店を貸してくれませんかと直談判したんです」と知世さん。
準備期間を経て、6月18日、二人の店「やまの如く」は開店する。店名は、苗字の山村と、武田信玄の軍旗に書かれた孫子の句「動かざること山の如し」から名付けた。
「どっしり構えてお客様をお待ちして、地域に根付いていきたい」と意欲を燃やす。
店舗情報
ぱんや やまの如く
住所 | 前橋市北代田町290-5 |
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営業時間 | 9時~17時 |
定休日 | 日曜(月1回不定休あり) |
開店日 | 2024年6月18日(火) |