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上電の利用者増やそう
東京メトロ03系 2月29日デビュー
2024.02.14
鉄道ファンに親しまれながら突然引退し、上毛電鉄に納車された東京メトロ03系が2月29日から運行を開始する。鉄道ファンの注目を集めそうで、前橋市はこれを機に上電の活性化に力を入れる。持続可能な運行を支援するため、①中央前橋駅周辺のにぎわい創出②前橋駅と中央前橋駅のネットワーク充実③沿線駅周辺への居住の誘導-の3つのビジョンを策定。ターミナル駅である中央駅の利便性を高めるとともに、便利な駅チカの人口を増やし乗降客を増やす。
2020年、日比谷線から姿を消す
03系は1988年に登場、営団地下鉄(現東京メトロ)で初めて冷房を設置しデザイン性に優れた車両として話題を集めた。日比谷線や相互乗り入れをしていた東武伊勢崎線でも運行。2020年2月、鉄道ファンが殺到するのを避けるため事前に発表せずに運行を終了し、残念がる声が出ていた。
上電は3編成6両を順次導入、主力車両にする。最初の1編成2両は昨年12月に納車され、調整・試験を実施し、現在は乗務員の習熟度を高めるために中央前橋-大胡駅間で乗客を乗せず臨時運行している。
駅周辺を整備、居住人口増やす
中央前橋駅周辺はかつて上電本社ビルを中心に飲食店が数多く入居、上電横丁の名でにぎわった。現在は空きテナントが多く、さびれた印象を与えている。
このため、本社ビルの再生を核に周辺を含めたエリアリノーベーションを進め、飲食店に限らず多様な店舗、アート施設、オフィスに活用する。
中央前橋駅は3月末で整備が終了する広瀬川河畔と調和する空間とする。
前橋駅-中央前橋駅間は2025年度を目指し、都市部では全国初となる自動運転バス運行で結ぶ。さらに、中心街の再開発に合わせて、前橋駅-中央前橋駅-前橋市役所-前橋公園を30分間隔で運行する。
沿線の各駅周辺への居住の誘導は三俣、片貝、赤坂、心臓血管センター、江木の5駅から徒歩圏内の半径500㍍程度の区域を対象とする。原則として住宅を建築できない市街地調整区域内で地区計画制度を活用、住宅メーカーなどによる開発を促進。駅の近くに人口を集め、上電利用を促進する。
【上毛電鉄】1928年に中央前橋-西桐生間が開業する。25・4㌔の間に23駅ある。乗降客は1965年度の958万人をピークに減少、2021年度はコロナの影響もあり128万人まで落ち込んだ。