23年間、違うこと書いている
「めぶく。」の後は「まなぶ。」ですかね
―「ほぼ日」で毎日、エッセイを書いていますね。
毎日、文字書いて23年間。違うこと書いているから続いているんでしょうね。一本の長編じゃ、とっくに飽きていたと思います。
―書き溜めることは?
ないですね。毎日夜中の3時、4時に書いた記事が11時に更新されています。一本書くのに骨が折れる。人が傷つくんじゃないかとか、変な反響があるんじゃないかとか。世の中が荒っぽく動くときは辛いですね。
―新たに取り組みたいことはありますか。
いまはもう先日開校した「ほぼ日の學校」のことですね。學校は僕一人じゃできないわけで。いろいろな人の手を借り、頭を借り、心を借り。時間を借りて。僕が言い出したことだけど、僕の範囲を超えるんですよ。それが楽しくて、苦しくて、もうコントロールしようがない。
大変なことがあったは「めぶく。」でしょ。楽しみですね。學校のプロジェクトを始めてからは夜中に起きちゃうんですよ、アイデアがわいて。ずっとそんなことはなかった。若い新人に戻っちゃったからでしょうかね。
―どんな学校なのでしょう。
「人が人から学ぶ」というのが重要な局面なんですが、(普通の)学校の外で学んだことの方が大事で、そっちを学ぶ学校を作りたかった。この人に会えてよかったなと思えるような。
その象徴として、赤いねじり鉢巻きのスーパーボランティア、尾畠春夫さんもほぼ日の學校では先生なんですよ。僕も年を取ってきたから、自分だけが美味しいって喜ぶんじゃなくて、人が食べて美味しくしていることで楽しくなるんですね。人が喜ぶのをみたくて、無理をしたり、楽しんだりして。いろんな物事を組み立てているのが、一番楽しい仕事ですね。
「めぶく。」の後は「まなぶ。」ですかね。
【ほぼ日の學校】古典を学ぶ場として、2018年に開校した「ほぼ日の学校」が、「人に会おう、話を聞こう。」をコンセプトに「ほぼ日の學校」に改称、たくさんの人たちに出会い、いろんな話を聞くことができる場として、アプリになってリニューアルした。
糸井重里(いとい・しげさと)1948年11月、前橋市生まれ。
前橋高-法政大文学部中退。コピーライターとして人気を集めたのを皮切りに、幅広く活躍するマルチクリエーター。沢田研二の「TOKIO」をはじめ作詞も数多く手がけ、企画制作したゲーム「MOTHER」シリーズは熱狂的な人気を集める。1998年にスタートしたウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」では、「ほぼ日手帳」をはじめ2021年の日本文具大賞グランプリを受賞したAR地球儀『ほぼ日のアースボール』、先月開校した「人に会おう、話を聞こう。」をテーマにアプリを通して届ける『ほぼ日の學校』など様々な商品開発、企画を手掛ける。
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