play
遊びたい
ラリーの経験が技術力磨く
メカニック・宮﨑毅さんに聞く
2022.11.11
ラリーレースの主役はもちろんドライバー。勝者は栄光を一身に受ける。それを陰で支えるのがメカニックをはじめとする裏方だ。裏方の頑張りがあってこそ、ドライバーの力が発揮される。第2回はメカニックを代表して宮崎毅さんに登場願った
ピット作業でチームを支える
―2度のシェイクダウンテストを終え、車両の改造は終わりました。すでに現地に運ばれていますが、仕上がり具合はどうですか。
初めての車両で手を入れた部分も多く不安な点もありますが、仕上がりは良いと思います。
テスト走行が中止になるような大きなトラブルはありませんでしたが、課題点もいくつかあったので、できる限りの対策をして、万全な状態で本番に臨みたいと思います。
―参戦が決まってから時間が短かったようです。どのくらいの期間で改造したのですか。
ラリーのレースはこれまでトヨタ「ハイラックス」をベースとした車両で臨んできましたが、今回は「東京オートサロン2022」のカスタマイスモデルで話題となった「レクサス・新型LX600」に切り替えました。
車両の分解を開始したのが今年の3月上旬なので約半年の製作期間しかありませんでした。ほとんどの部品を分解して、車内外にロールケージを装着したため、ダッシュボードなどの内装や前後バンパーがそのままでは装着できず、現物合わせで加工する箇所が多く大変でした。
また、追加設置するパーツ類もたくさんあったので配置や固定方法に苦労しました。
―写真で見せていただきましたが、力強く、かっこいいですね。自慢のパーツ、改造部分はどこでしょう?
手を入れた車体すべてですと言いたいですね。特に車両前方のガード類に注目して見てください。バンパーと一体化していてすごくカッコ良く仕上がったと自負しています。
―ラリーチーム結成後、さまざまな改造やパーツ造りを担ってきました。メカニックの技術力やモチベーションは上がったのでしょうか。
私自身、2019年のハイラックス車両製作から参加させていただいております。競技後の車両損傷具合を見て、改めてオフロード競技特有の激しい振動や衝撃から車両の破損を防ぐための補強やガード類が重要だと感じました。
パーツの見た目が立派でも強度が備わっていないとすぐに変形や破損につながりますので、そういったラリーでの経験が良い製品づくりに生かされていると思います。
もちろん、モチベーションも上がりますよ。
―さて、いよいよ本番です。バハではどんな役割を担いますか。
基本的に車両メンテナンスを担当します。同行いただくGTG(群馬トヨタグループ)のメンバーと協力し、迅速にピット作業を行いたいと思います。タイムに影響しますから。
―チームの目標を聞かせてください。能戸ドライバーに期待することは?
完走です。とても過酷なデザートレースなので、能戸ドライバーには怪我なく無事に走り切ってもらいたいです。
みやざき・つよし
1984年、中之条町生まれ。渋川工業高校自動車科卒業後、自動車整備工場の鈑金塗装業務に従事する。2019年にジャオス入社。製品の品質管理業務を担当。趣味も特技も車やバイクのカスタマイズという。