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前橋神明宮に舞殿を
奉賛会が会員、浄財を募集

2025.10.12

前橋神明宮に舞殿を
奉賛会が会員、浄財を募集

 「群馬のお伊勢さま」と親しまれてきた前橋神明宮(前橋市千代田町)に舞楽を披露する「舞殿(まいどの)」を造営しようと、有志が10月、神明奉賛会を発足した。前橋藩主を務めた松平家が1855(安政2)年に川越城内に建て、その後、移築した前橋東照宮の旧拝殿の建材を活用する。趣旨に賛同する会員を募集するとともに、総費用3000万円をクラウドファンディングで集める。

2028年の完成目指す

 舞殿の建立は市民の力で歴史的建造物を再築し、舞楽の奉納をはじめとする催事により幅広い世代が集まる場にすることで、神明宮と地域の活性化につなげるのが目的。2025年12月からクラウドファンディングを開始、工事に着手し神明宮の創建550年にあたる2028(令和10)年までの完成を目指す。

▲舞殿の完成イメージ図

 舞殿は木造平屋建ての約50平方㍍。石の基礎の上に建てる「石場建て」という伝統工法を採用、屋根と柱を付ける。

 前橋東照宮の旧拝殿は1871(明治4)年に前橋市に移築再興され、2021(令和3)年の前橋東照宮の大改修によって解体された。現在は中之条町の建設会社が保管している。

▲基礎部分はできている

 舞殿の建立は3年前に持ち上がり、神社庁の許可を得て工事が始まった。基礎部分は設置されたが、体制が整わずに中断。新しい組織を立ち上げ、出直しとなった。

 会長には松平大和守家17代当主の松平直泰さんが就任した。

▲舞殿の完成に意欲をみせる植木さん

 副会長の植木威行さんは「前橋の中心街の近くにありながら、落ち着いた佇まいがある。10の神社が集まるのも珍しい。貴重な歴史的建造物をここに継承させ、人が集う拠点としたい」と話している。

▲4つの神社が見える

前橋神明宮

 1478(文明10)年、江戸城築城で名高い太田道灌が創建したとされる。伊勢神道を広める神宮教院を境内で運営、かつては年末年始に配られるお札を県内全域の神社に受け渡していた。境内には内宮(ないくう)の神明宮、外宮(げくう)の前橋稲荷大明神の2つの神社と菅原神社、厳島神社(銭洗弁財天)など8つの末社が祀られている。

神明奉賛会事務所

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027-232-3211
住所 前橋市表町2-1-10(ニューサンライフ内)