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人生も夢も声も舞台の糧に
マルクが挑む“ビュッフェ形式”の演劇
2025.09.30
老舗劇団「ザ・マルク・シアター」がプロデュースするオムニバス公演『Voice×ボイス×ぼいす』は10月11日、12日に大胡シャンテマルエホールで上演される。若手の挑戦からベテランの妙技、豪華ゲストの出演と多彩な「声」が響き合う舞台になる。
(取材/堀口知子リポーター)
みんな違って、みんないい
『Voice×ボイス×ぼいす』は5チームによるオムニバス形式の公演。企画の狙いをマルクを主宰する生方保光さんはこう語る。
「昨年、50歳以上のメンバーによる演劇ユニット百花繚乱を立ち上げ、多くの仲間が増えました。人生の波乱万丈なエピソードを語ってくれる大先輩もいれば、未来を夢見て弾む声を聞かせてくれる若者もいる。人それぞれの“声”や“テンポ”が、まるで音楽のように響くのです。どれが好き?と問われても、みんな違って、みんないい。だからこそ今回はビュッフェレストランのように多彩な作品を揃えました」
若手の挑戦とベテランの技術
作品はそれぞれ鮮やかな個性を放つ。劇団メンバーで脚本・演出を初挑戦する見城由香さんが手がける『透明書簡』は今回が初舞台のキャストもいる。
生方さん自身が関わった『テレビという魔界』『ホラフキン』の2作は「静」と「動」、「言葉」と「身体表現」という対照的なテーマで、俳優たちの身体能力と表現力を堪能できる。
百花繚乱のメンバーによるシェイクスピア喜劇をモチーフにした作品は、50歳以上の俳優たちが放つ円熟のユーモアが見どころ。演出を手がける大島政昭さんの手腕が、舞台を笑いの渦に巻き込むだろう。
それぞれの作品を率いる演出の生方保光さん、見城由香さん、大島政昭さん(左から)
萩原さんが寺山修司語る
日替わりで登場する2人のゲストも豪華だ。
11日は演出家、萩原朔美さんが出演する。語るのは寺山修司の代表作『強姦魔』。「良い子に聴かせられるかどうか」と冗談を交えつつ、「寺山作品の持つ圧倒的なパワーを感じてほしい」と意気込む。
12日は歌舞伎座などで活躍した後、地元の渋川に帰郷した松村悠輔さんが歌舞伎の名口上『外郎売』を披露する。舞台俳優なら誰もが稽古する演目を本物の歌舞伎役者が演じるのも見どころだ。
「正解は一つじゃない。自信を持って自由にやればいい。そこに未来はある」と生方さん。
今後は多くの劇団ともコラボしたいという夢も語った。
それぞれチームの特色を楽しめる構成にも注目
劇団ザ・マルク・シアタープロデュース公演『Voice×ボイス×ぼいす』
・期日 2025年10月11日(土)、12日(日)
・開演 14時
・会場 大胡シャンテ マルエホール
・料金 一般2000円/学生1500円
(高校生以下は入場無料※要チケット)


