watch

見たい

前橋にラウンドアバウト誕生
木瀬中近くの市道、25日全線開通

2025.09.25

前橋にラウンドアバウト誕生
木瀬中近くの市道、25日全線開通

 時計回りに一方通行で円を描くように車が通行する信号機のない環状交差点「ラウンドアバウト(RA)」が前橋市下長磯町の丁字路に完成、9月25日開通した。市内で第1号のRA。現場は木瀬中の通学路にあり、生徒の安全確保が図られるとともに、円滑な車両の通行に効果が期待される。

安全、円滑な通行に効果期待

▲ラウンドアバウトの走り方

 前橋市道路建設課によると、従来の丁字路は変則的な構造で見通しが悪く、地元から道路整備の要望があった。交通量があまり多くないことから、新たに信号機を設置しなくて済むRAの導入を決め、整備を進めていた。

▲改修前の変則丁字路(北から)

▲改修前の変則丁字路(南から)

 RA導入を踏まえ、前橋木瀬中は9月12日、前橋東警察署と前橋市から講師を迎え、全校生徒を対象に講習会を開いた。自転車で通行する際は車両と同じように時計回りに進入するほか、自転車から降りて歩行者のように横断歩道を渡れることを学んだ。

 本間淳彦校長は「最初は戸惑うだろうが、すぐに慣れるでしょう。ただ、事故は慣れたときに起こりやすいので常に注意してほしい」と話している。

中央島にモニュメント

▲下長磯操翁式三番叟をイメージしたモニュメント

 RA導入に合わせて、交差点の中心の中央島には地域のシンボルとなるモニュメントが誕生した。

 デザインは前橋工科大工学部4年の牧野奈海さんが担当、①機能性②地域性③伝統④3Dプリンターの活用-の4点のコンセプトをもとに制作した。

 伝統について、牧野さんは「江戸時代から地域に伝わる下長磯操翁式三番叟(あやつりおきなしきさんばそう)の人形がかぶる烏帽子を簡略化して3方向に配置し三番叟のリズムと調和を表現した。地域文化を未来に伝える象徴となることを願っています」と説明した。

▲モニュメントのデザインを担当した牧野さん

ラウンドアバウト

 交差点の中心に円形の通行できない中央島があり、その周囲を車両が一方向に周回して通行する交差点。信号機や一時停止位置がなく、車両はいつでも進入でき、任意の方向に進める。交差点に進入する際、スピードを落とす必要があるため、出合い頭事故が減少するとされる。信号機がなく、赤信号の待ち時間もなくなる。群馬県内では安中市内に次いで2カ所目。