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石破首相 前橋ぶらり散歩
民間主導の地方創生を視察
2025.06.07
民間主導で進む地方創生を視察するため、石破茂首相は6月7日、前橋市を訪れた。「めぶく。」前橋の起爆剤となった白井屋ホテルを出発、行列のできる飲食店、創業1世紀超えの老舗、アートの拠点が並ぶ中心街を半日かけて歩いて回った。視察後、「民間が頼りっ放しではない。行政がやりっ放しでない。市民も一緒にやろうとしている」と前橋の取り組みを高く評価、取りまとめの最終段階にある「地方創生2.0基本構想」のモデルにする考えを示した。
「地方創生2.0基本構想」のモデルに
古い旅館をリノベーションして蘇らせた白井屋ホテルを見学、昼食を取った石破首相は企業家有志でつくる太陽の会の田中仁代表理事(ジンズホールディングスCEO)の案内で“前橋散歩”を楽しんだ。
▲白井屋ホテルを案内される石破首相
初めは太陽の会の寄付金をもとに前橋デザインコミッション(MDC)が事業主体となって親水デッキが作られ、レンガ敷きとなった馬場川通り。石破首相は用意された首相専用車に乗らず、「若い女性がたくさんいて楽しそう」と笑顔をふりまいて歩いた。
馬場川通りから中央通りに入り、人気のパスタ店や若い夫婦が経営するカフェ、老舗の青果店、呉服店を次々に覗き込み、店主と気軽に会話した。
▲ジャスパー・モリソンがデザインしたトイレの前で
▲ベイブレード大会中の子供を激励
前橋はおもしろい街
途中、太陽の会とMDCの幹部と意見交換した。「終戦までは強い日本、戦後は豊かな日本を創ろうとした。次は楽しい日本じゃないか。地方に足りないものが楽しさ。最近はおもしろい街というと前橋だよねってなっている。ヒントを与えてもらえたらうれしい」と語り掛け、幹部の話に真剣に耳を傾けた。
▲太陽の会やMDCの幹部と意見交換
車両に乗り込んで弁天通りから広瀬川遊歩道に向かい、太陽の塔を見学した。まえばしガレリアとアーツ前橋で現代アートを観賞した後、馬場川通りにあるジンズホールディングスのサテライトオフィスで、共愛学園前橋国際大の大森昭生学長から中心街に計画している小中一貫校、日本通信の福田尚久社長から「めぶくID」について説明を受けた。
▲太陽の鐘の前で田中さんと記念撮影
▲現代アートにふれる
全行程を終えた石破首相は取材陣のインタビューに答え、「『やりっ放しの行政』『頼りっ放しの民間』『全然無関心な市民』の三位一体となると地方創生は絶対うまくいかない」との自論を紹介し、前橋の取り組みが正反対にあると賞賛した。
最後に、「ロールモデルのネットワーク形成について議論する会議体を総理大臣のもとで立ち上げる。前橋の例を参考にしたい」と述べた。
視察に一部同行した小川晶市長は「前橋の文化や歴史にも共感してもらった。教育やデジタル、事業承継といった地方が抱える課題にも現場レベルの話を聞いていただいた。『おもしろい』とたくさん言ってくれた」と感謝していた。
首相の動向を紹介する「番外編」はこちら。
※写真はJINS提供
▲創業150周年の小川屋の伊藤大介社長と


