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「朔太郎を超えた?」吉増さん独演
前橋文学館で企画展始まる

2023.06.10

「朔太郎を超えた?」吉増さん独演
前橋文学館で企画展始まる

現代詩壇の先鋭的な詩人で写真や映像、立体作品も手掛ける吉増剛造さんの企画展が6月10日、前橋文学館で始まった。開会を祝って吉増さんがパフォーマンスを披露、来場者を吉増ワールドに誘った。企画展は9月10日まで開かれ、6月24日には吉増さんと奥さんでシンガーのマリリアさん、映像作家の鈴木余位さんによるライブパフォーマンスが行われる。

ライブと映像でパフォーマンス

透明のアクリル板に色付きの砂をザーとかけ、筆で文字を書いたり、絵の具を垂らしたり。

長年持ち歩いているピンチハンガーにはそれぞれゆかりのあるカウベルや貝、ハンマーを吊るし、「大事なものを集結させたら楽器になった」といたずらっぽく笑いながら紹介。マスクを目に当て見えない状態にして、砂の上にたたきつけ模様を変えていった。

アクリル板の下に設置した定点カメラと2台のハンドカメラで作品がスクリーンに映し出され、来場者は刻一刻と変化する映像と吉増さんの姿を見比べた。

▲パフォーマンスの始まり。勢いよく色付きの砂をかける

▲「楽器」となったピンチハンガーで音と絵の作品を創り出す

完成するとマスクを外し、「見てくれてありがとう。俺だけ見ていないよ」と笑わせた。ファンから「すごいものができましたよ」と告げられると、「(萩原)朔太郎を超えた?」とご機嫌だった。

▲マスクを外して完成を喜ぶ吉増さん

企画展は「フットノート—吉増剛造による吉増剛造による吉増剛造」と題して、吉増さんの詩や映像作品など100点を紹介している。展覧会の準備中に「手が動き出して書いた」という「前橋メモ 朔美メモ」や4人の詩人たちが選んだ吉増さんの詩に吉増さんが注釈書きを加えた作品など興味深いものが並ぶ。

「フットノート—吉増剛造による吉増剛造による吉増剛造」

・会場 前橋文学館(前橋市千代田町3-12-10)

・会期 6月10日(土)~9月10日(日)

・時間 9時~17時

・休館 水曜

・観覧 一般500円(高校生以下、障害手帳持参者と介助者1人は無料)

・問い合わせ 027-235-8011