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学びたい
前橋の旧町名 蘇る
11カ所で案内板が誕生
2025.04.09

1960年代半ばまで使われ、いまもなお愛着を持って呼ばれる旧町名を後世に伝えるため、前橋市は旧町名の由来を記した案内板の設置を始めた。歴史まちづくり計画に位置付けたヒストリックランドマーク整備事業の一環。中央通りに昨年11月、前橋空襲の爆撃照準点を示すマンホールとともに設置した「桑町」の案内板を皮切りに、これまでに11カ所に置かれている。
3年間で31カ所に設置
旧町名案内板は中心街の「厩橋地区」を重点地区として整備する。国の交付金を活用、2026年度までの3年間で31カ所に順次設置していく。
桑町の案内板は中央通りのグリーンウォーク入口に爆撃照準点の表示板と並んで置かれている。
町内に桑の大木があったことが町名の由来で、明治40年ころまでは桑苗市でにぎわったこと、ネオンアーチから「鈴蘭街」と呼ばれるにぎわいを誇ったことが記されている。

▲桑町の案内板

▲爆撃照準点の尿地盤

▲中央通りにある前橋空襲爆撃照準点マンホール

▲桑町にかつてあったネオンアーチ
桑町に続く10カ所はすでにあった周辺案内版を改修、旧町名の由来やにぎわっていたころの様子を懐かしい写真とともに紹介している。
案内板はアルミ合金製で50㌢四方。歩行者が見て楽しめるように交差点や歩道の植え込みの中に置かれている。
歴史や生活感じる旧町名
前橋市の旧町名は1962年に施行された「住居表示に関する法律」に基づき、1965年から1967年にかけて段階的に現在の町名に変更された。
旧町名はその土地の歴史や地形、文化や生活から付けられていた。紺屋町は染物職人が集まっていたのが由来。堀川町は武家屋敷の区域だった「砂堀・川窪」から1字ずつ採ったといわれている。
千代田町、大手町といった全国どこにもある無機質な名称でなく、旧町名に戻してほしいと願う市民も多い。

▲住居表示を説明する「広報まえばし」
2025年3月末までに設置した旧町名案内板は桑町のほか、以下の10カ所。前橋新聞web版で2回にわたり紹介する
① 琴平町(ことひらちょう)=住吉町1丁目
② 北曲輪町(きたくるわちょう)=大手町3丁目
③ 神明町(しんめいちょう)=大手町3丁目
④ 竪町(たつまち)=千代田町3丁目
⑤ 一毛町(いっけまち)=城東町3丁目
⑥ 曲輪町(くるわちょう)=大手町2丁目
⑦ 本町(ほんまち)=本町2丁目
⑧ 相生町(あいおいちょう)=表町2丁目
⑨ 堀川町(ほりかわちょう)=表町1丁目
⑩ 田中町(たなかまち)=表町2丁目
商工まえばし「旧町名への旅」

前橋商工会議所は2011年7月、機関誌「商工まえばし」の別冊として、「旧町名への旅」を発行した。
「おじいちゃんとボクが訪ねた町」をサブタイトルに、高校1年生の孫と70歳の祖父が旧市街地の44カ所を訪ね、旧町名の由来や特徴を分かりやすく解説する。
すでに絶版となっているが、全50㌻のコピーを受け付けている。300円(消費税込み)。
問い合わせは前橋商工会議所(☏027-234-5111)へ。