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10代から「かかりつけ婦人科を持とう」 
前橋の3つの婦人科が夏休みイベント

2024.07.12

10代から「かかりつけ婦人科を持とう」 
前橋の3つの婦人科が夏休みイベント

婦人科ってどんなところ? 高崎市のNPO法人ラサーナは、10代から婦人科を身近な相談先として活用するよう呼びかける「かかりつけ婦人科を持とう」キャンペーンを展開。前橋市の横田マタニティーホスピタル、ヒルズレディースクリニック、小沢医院をはじめ、県内8医療施設が参加した。前橋の3つの医療施設の取り組みを紹介する。(取材/柁原妙子リポーター)

若い世代に向けた院内ツアー

「横田マタニティーホスピタル」は7月27日、若い世代に向けて院内ツアーを行う。

「小児科や歯科には小さい頃から行っているから抵抗がなくても、婦人科は全く馴染みがないから受診にはとても勇気がいる。ならば、どんな場所で、どんな診察を受けるのかあらかじめ知ることでその行きづらさをなくせるのではないか、と企画しました」と担当する助産師の佐藤里恵子さん。

「ツアーの内容は、申し込まれた方の興味や求めに応じたものにしたい」とし、お仕着せのものではなく、希望に沿いながら、受付から診察まで、初めて受診する若い人の心理的な抵抗感を小さくする工夫や、緊張を解く雰囲気作りがあることなどを紹介していく。

「スイーツを食べながらリラックスして、気楽に疑問や興味のあることを質問してもらい、それに答えていく時間もあります」と、カフェタイムも設ける。

▲横田マタニティーホスピタルの助産師、佐藤さん

中心街でユースクリニック

「ヒルズレディースクリニック」は、8月17日、前橋プラザ元気21にぎわい広場でユースクリニックを開く。

ユースクリニックとは、性に関することに特化した相談を受けられる場所。「ヨーロッパでは生活に根付いていて、専門家のアドバイスを無料または低価格で、親に知られることなく子どもだけで気兼ねなく受けられます。私自身はユースクリニックを、専門的な治療を行う病院と、医療行為はできないが身近で相談しやすい学校の保健室との中間のような存在だと捉えています」と婦人科医で副院長の嶋田亜公子さん。

今回のユースクリニックは予約不要で、中高生に限らず、保護者のみの相談も受け付ける。生理や妊娠にまつわるプライベートな悩みで、誰に相談したらいいかわからないことも改善や解決の糸口が掴めるかもしれない。

当日は「ピルとアフターピル」をテーマにパネルディスカッションも行われる。低用量ピルを、避妊の目的のみではなく生理痛やPMS(月経前症候群)の緩和などの目的で利用し、より快適な生活を送る女性は増加している。「学生の場合、テストや試合など大切な日に生理が当たらないように移動しやすくなります」

アフターピルは、望まない妊娠を回避する、女性の負担がより軽く済む手段として、ここ数年もっと簡便に手に入れられるようになるべきだとして注目されている。

▲ヒルズレディースクリニック、副院長の嶋田さん

子宮がんや予防接種の説明会

小沢医院は8月25日、子宮がんとがん検診や予防接種についての説明会を開く。

「参加者からの質疑応答がメイン。私が15分程度話をした後は皆さんと話し合う時間を長めに用意しています」と院長の小澤聖史さん。

子宮頸(けい)がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で、ワクチンで防ぐことができる。接種費用は10万円近くかかるが、定期接種の対象者は無料で受けることができる。「定期接種の対象年齢は小学6年から高校1年のため、通知が届いても本人が自分ごととして受け止めるのは難しい。説明会には保護者と本人で来てほしい」という。

現在、HPVワクチンは女性だけでなく、男性も打つことができる。「オーストラリアでは既に男女に接種していて、2028年には子宮頸がんがほとんどなくなる国になると言われている。今回の説明会にも、男子とその保護者の参加希望があればウェルカムです」

13年前、HPVワクチンの副反応ではないかと疑われた症状が大きく報道されたが、「HPVワクチンで起こる副反応は、赤ちゃんの時に打つワクチンで起こる副反応と同じと、調査の結果が出ています」と明快だ。

また、「キャッチアップ接種」という、積極的勧奨から外れていた期間に定期接種を逃した女性を救済する特例措置について、「今年度で終了するので、3回接種するためには9月ごろに1回目を打つ必要がある」と早めの対応を呼びかけている。

▲小沢医院、院長の小澤さん

県内8つの婦人科で実施

「かかりつけ婦人科を持とう」キャンペーンは日経BP総合研究所が実施する「生理快適プロジェクト」の一環として、NPO法人ラサーナが企画。「思春期の相談を受け付けている県内の婦人科に声を掛けたところ、8つの施設で賛同をいただき、夏休み期間中に県内各地でイベントが開催されることになりました」と理事長の福田小百合さん。

イベントの内容は各医療機関がそれぞれの思いを込めて、独自に決めるという。

▲若い女性に向けて健康情報を発信するラサーナ。理事長の福田さん

「かかりつけ婦人科を持とう」キャンペーン

■横田マタニティーホスピタル院内ツアー
日時 7月27日(土)14時〜15時
場所 横田マタニティーホスピタル(前橋市下小出町1-5-22)※要予約(7月26日締切)
予約・問い合わせ先 027-219-4103 マムケア佐藤さん(平日9時〜18時)

■ヒルズ『ユース』クリニック in 前橋プラザ元気21
日時 8月17日(土)14時〜17時
場所 前橋プラザ元気21 にぎわい広場(前橋市本町2-12-1)※予約不要
問い合わせ先 027-253-4152 経営管理部(月火水金:9時〜16時、木土:9時〜12時)

■子宮がんについて学ぼう
日時 8月25日(日)10時〜11時40分
場所 小沢医院(前橋市樋越町15-1)※要予約(8月24日締切)
予約・問い合わせ先 027-283-2009 事務小沢さん(木日祝を除く 9時〜12時、14時30〜17時30)

※キャンペーンの詳細はNPO法人ラサーナ