shop

買いたい

郷土料理を令和風に
前商生が考案、スーパーで販売

2024.12.09

郷土料理を令和風に
前商生が考案、スーパーで販売

 伝統的な郷土料理を現代的にアレンジした創作料理を前橋商業高校(前橋市南町)の3年生の2グループが考案した。韓国風のすいとん「ピリッと! チゲとん☆」はとりせんの県内全63店舗、ちぎって食べる「ぱくもち! ちぎり焼きまんじゅうパン」はフレッセイのベーカリーコーナーのある38店舗で、ともに12月下旬まで販売している。

すいとんと韓国のチゲを合体

 チゲとんは3年2組の男女4人が担当した。
 給食で食べたことのあるすいとんの地味なイメージを一新し盛り上げようと、流行している韓国料理の定番である鍋料理のチゲと組み合わせた。
 主な顧客層を「一人暮らしの社会人」と想定、豚肉と野菜など10種類の具材が入るボリュームがあって栄養満点のチゲを目指した。
 

▲「チゲとん」を開発した3年2組の4人

 とりせんの担当者に試作を依頼、問題点を洗い出し改良した。レンジで温めると具材が下がって見栄えが悪くなることから、鍋の底におっきりこみを追加し、野菜は食べ応えのある根菜類を中心に変更。1食494円(消費税込み)とワンコインでお釣りがくる価格に設定した。

▲コシのあるおっきりこみも入っていて食べ応え十分

 男子2人は「具材を食べ終えたら、ご飯を入れて雑炊にすると、さらにボリュームアップします」「卵やチーズをトッピングしてもいい」とアドバイスする。
 とりせん新前橋店の店長、須賀一行さんは「寒くなってきて売れ行きは好調。若い人だけでなく、お年を召した方も購入されています」と話している。

▲石井翔梧さん「具だくさんで攻めました。雑炊も楽しんでください」

▲唐沢慎太朗さん「大学ではマーケティングを学び、商品開発をしたい」

▲飯島百香さん「イラストを担当しました。デザインを勉強します」

▲小池萌さん「辛いのは苦手。本当はもう少し抑えたかったです(笑)」

部活の帰りにシェアしよう

 ちぎり焼きまんじゅうは最近まで坊主刈りだった野球部3人とサッカー部1人でつくる「だんご4兄弟」が考え出した。部活を終えた後など小腹が空いたときに仲間でシェアして食べられたらとの思いから、一口サイズにちぎって食べられるパンを目指した。
 

▲「ちぎり焼きまんじゅう」を考えただんご4兄弟

 前橋市内の焼きまんじゅう店で試食を重ね、パンの中にこしあんを入れて甘味を強く感じられるようにした。

 1パックに6個の小さめなパンがくっついて入っており、付属の先割れスプーンで切り分けると、手を汚すことなく食べられる工夫が光る。1食259円(消費税込み)と手ごろな価格にしている。
 

▲レンジで温めると出来立てのよう

 フレッセイのベーカリーバイヤー、狩野祐也さんは「弊社のベーカリーではみそパンがお客さまの支持を集めていて、人気になると予想していた。高校生の斬新なアイデアをできるだけ再現しました」と共同開発を振り返った。

▲本多悠樹さん「班長としてまとめましたが、みんな個性が強くて…」

▲金井塚温都さん「先割れスプーンを提案しました。シェアしやすいでしょ」

▲廣田凌星さん「唯一のサッカー部。司令塔の役割を果たしました」

▲吉村遙人さん「商品を考えました。試食が楽しかったです」

商業高校とスーパーが共同開発

 商品開発は県内に店舗を展開するスーパー4社と県の地域包括連携協定締結に基づき、商業を学ぶ高校生とスーパーが共同であたった。4月から企画案を募集、選定された高校生チームがマーケティングや商品開発を学びながら店頭に並ぶ商品を考案。前橋商の4作品を含む6作品が商品化された。