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前橋でオロチョン食べられる
専門店が11月下旬に開店

2024.12.05

前橋でオロチョン食べられる
専門店が11月下旬に開店

 オロチョンラーメンをご存知? アイヌ語で「勇敢な」の意味を持つピリ辛ラーメン。群馬県内で数軒、メニューに入れている店があるが、専門とする店はない。そんなオロチョンラーメンを看板に掲げ、店名にもした店が11月下旬、前橋市に誕生した。

独特のピリ辛、クセになる旨さ

 「中華食堂 オロチョンラーメン」は前橋市北部の住宅街にある。

 平日の昼時、店を訪れた。メニューに「1押し」とある醤油味のオロチョンラーメンを注文、5段階から選ぶ辛さは真ん中の極(3辛)にした。

 豚骨、鶏ガラ、魚介と野菜から取ったスープに数種類の唐辛子をブレンドしたスープは真っ赤。スープを一口。確かにピリ辛だが、甘みも感じる。よくある激辛とは一線を画す独特の旨さはクセになりそう。

▲オロチョンラーメンにプラス100円で生卵をトッピング

 市内の製麺所から取り寄せる麺は中太でやや縮れがある。硬めに茹でられ、スープに負けず力強い。

 具材も個性的だ。2個分使うピーマンは生に近いシャキシャキした食感。キクラゲ、コンニャク、メンマ、豚肉と豪華な顔ぶれで、ネギもたっぷり。 食べ終わると、汗が顔から噴き出して爽快な気分になった。

歌舞伎町・利しりで18年

 店主の後藤正利さん(61)は北海道出身。新宿・歌舞伎町にある創業55年の老舗ラーメン店「利しり」で18年間、中華鍋を振ってきた。

 利しりは午後6時半に開店、翌日の午前5時まで営業する深夜食堂。歌舞伎町という場所柄、開店から閉店まで客足が絶えない。看板メニューがオロチョンラーメンで、商標登録もしている。

▲後藤さんが働いていた、新宿の「利しり」

 新宿で働き、日曜になると前橋市内の自宅に帰る生活を続けたが、体力的な問題もあり独立を決意。洋食店だった店を居抜きで借り受けた。

 メニューはオロチョンラーメン、味噌チョンラーメンが二大看板。他に牛乳ラーメンなどオリジナルをそろえる。チャーハンも自慢の品。一品料理もあり、居酒屋使いもできる。

▲前橋市荒牧町に開店した中華食堂「オロチョン」

▲北海道出身の後藤さん

家族3人で仲良く切り盛り

 店は厨房を後藤さん、接客を奥さんの幸代さんと娘さんが担当する。

 前橋生まれ前橋育ちの幸代さんは前橋愛が強い。開店にあたっては利しりの味をそのまま再現するのではなく、オリジナルさにこだわった。

 それは具に利しりにはないコンニャクを入れたことだった。「上州ラーメンの『雷ラーメン』をイメージできるようにしました。私も大好きだったので」と笑顔で「上州版オロチョン」誕生の秘訣を明かす。

 

▲「恥ずかしいので背中だけ」と奥様の幸代さん

 後藤さんは「あまり提供する店がないので、本格的なオロチョンを群馬で広めたい。どんなラーメンか、ぜひ、味わってください」と話している。

 店は当分、無休で営業、様子を見て定休日を決める。

店舗情報

中華食堂 オロチョン

お問合せはこちら
027-212-0887
住所 前橋市荒牧町1-20-3
営業時間 11時30分~15時、17時30分~20時
定休日 不定休

オロチョンラーメン

 アイヌの火祭り、オロチョン祭りから、「火を吹くほど辛い」ラーメンとして命名されたとされるピリ辛ラーメン。北海道発祥のほか、東京・福生説もあり、愛媛・松山のソウルフードにもなっている。