shop
買いたい
亡き父と作り上げた味
ステーキハウス「G-Base」29日開店
2024.07.26
前橋スズランの近くに7月29日、ステーキハウス「G-Base」が開店する。牛肉の希少部位や銘柄豚を使ったステーキを楽しめる。肉の味を引き立てるのはゴマをベースにしたオリジナルソース。ステーキハウス誕生の裏には、オーナーの佐藤史隆さんと3月に亡くなった和食料理人の父親、尚信さんとの絆があった。
(取材/阿部奈穂子)
介護の世界から料理の道へ
「最高の肉を父のオリジナルのステーキソースで提供したい」。佐藤さんは40代半ばにして長年勤務していた介護会社を辞め、ステーキハウスのオーナーとなった。
父親、尚信さんは50年以上、料理人として歩んできた。岩神町にあった料亭「楽水園」の料理長として腕を振るい、晩年は新潟県魚沼市の温泉旅館の料理長を務めた。
「父は料理人の跡を継ぐように言わなかったし、自分も若い頃はその気はなかった」と佐藤さん。10年前、父が病気で入退院を繰り返していたとき、「お前に俺のレシピを受け継ぎたかった」。ポツリと言った言葉がずっと心に引っかかっていた。
40代になり、「介護の仕事はやり切った。一度しかない人生、新しいことに挑戦したい」。そのとき、父の言葉を思い出した。「そうだ、料理の道に進もう」
父のオリジナル、3種のソース
狙いをつけたのがステーキだった。「自分自身、肉が好きだったし、父はオリジナルのステーキソースを持っていた。若い頃、都内の鉄板焼きの名店で修業し、教えてもらったソースをアレンジして作り上げた逸品です」
父のソースのベースはゴマとビネガー。肉にはいろいろな旨味が含まれている。唯一、無いのは酸味。それを補い、全体を膨らませるソースだという。
味は白と黒とホットの3種類。白はさっぱり系で、黒はやや甘くてまったり。ホットは刺激的。「『ソースの作り方を教えてほしい』。父にお願いしたときのうれしそうな顔は忘れられません」
何度も試作を繰り返し、「旨い。この味なら大丈夫」、お墨付きをもらった1カ月後、父は突然、他界した。ステーキハウスの開店を目にすることなく…。ステーキソースは大切な忘れ形見となった。
こだわりのリブアイロール
G-Baseという店名は、「自分のあだ名がゴリさんだったこと、群馬発、そして父親をジージと呼んでいたこと。3つのGを合わせて名付けました」
使用する牛肉はニュージーランド産で、生まれたては牧草で育て、ある程度、成長したら穀物を与えて飼育する。サーロインと肩ロースの間の「リブアイロール」という部位だけを使う。「極上の赤身に少しだけサシが入った、最高の食味です」
豚肉のステーキも自信作。透き通るようなすっきりした肉汁の、藤岡市の「堀越ポーク」と、赤城南麓の豊かな自然の中で育つ「近藤スワインポーク」の肩ロースを用意している。
「父と作り上げた美味しいステーキを多くの人に楽しんでほしい」。満面の笑顔でそう語った。
店舗情報
ステーキハウス G-Base
- お問合せはこちら
- 070-4569-2915
住所 | 前橋市千代田町4-15-11 MKビルディングB 2階 |
---|---|
営業時間 | 11時30分~14時、17時30分~21時30分 |
定休日 | 9月までは無休 |