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遊びたい
るなぱあく「NEW YARD」新しく
ママたちが描いた休憩空間
2025.10.19
汽笛と笑い声が混ざる。豆汽車の線路の真ん中で、木の香りがふわりと漂っていた――。「るなぱあく」のNEW YARDが10月8日、リニューアルオープンした。設計や運営に携わったのは、子どもを持つ“ママチーム”。木とレンガに囲まれた広場に、やさしいまなざしと遊び心が息づいている。
(取材/阿部奈穂子)
ママ目線で再設計
NEW YARDは2016年に生まれた。それ以前は小さなバラ園で、立ち入ることのできない空間だった。そこに手作りのテラスを設け、「おむすびのマム」と「雑貨店とえほんのすみか」がオープン。木陰で休める場所として人気を集めてきた。
今年8~9月、2カ月間かけた改修では、るなぱあく業務課長の安藤晃子さん、「おむすびのマム」店長の鈴木志穂さん、女性設計士ら“ママチーム”の発想が息づいた。
▲園の真ん中にあるNEW YARD
通路にはレンガ800個を敷き詰め、ベビーカーでも移動しやすく。使われたレンガは広瀬川や馬場川沿いと同じもので、前橋のまち並みとの一体感を意識した。
そのうち365個は刻印入り。名前やイラストを募集し、家族や思い出が刻まれている。
「木馬に乗れるのは小学生まで。来年から乗れなくなるから記念に描いた」という小学6年の女の子。
「1954年生まれ、るなぱあくと同い年です」と刻んだ大人もいる。
刻印ひとつひとつに、世代を超えた想いが宿る。
▲木馬卒業記念のレンガ
木のぬくもりとおにぎりの香り
休憩スペースは、ウッドデッキとウッドルーフ、木のテーブルとイス。
ポッポー。シュッシュ―。
木漏れ日の中で、豆汽車の汽笛や蒸気音を聞きながら過ごす時間は穏やかだ。芝生広場も整備され、レジャーシートの無料貸し出しも始まった。
▲木に囲まれた優しい場所
「おむすびのマム」ではメニューを一新。シャケやツナマヨなど定番のほか、上野村のシイタケ、下仁田町のネギなどを使った「ふるさとむすび」、他県の観光協会とコラボした「縁むすび」も登場した。
米は前橋市街地の平野米穀店、海苔は「鳥山海苔店」の焼き立て。地元の味がぎゅっと詰まっている。
▲おにぎり(200~300円)のほか、唐揚げや味噌汁も
「普段は食が細いのに、ここのおにぎりは2個目なんです」と笑う母親のそばで、2歳の男の子が夢中で頬張っていた。
子ども自身がおにぎりを作れるセット「じぶんDEマム」や離乳食やスプーン練習中の子どものための「おわんDEマム」などキッズメニューも充実させた。
▲おにぎりのマム、店長の鈴木さん
遊具の料金は昔のまま10~50円。 “日本一なつかしい遊園地”と呼ばれるるなぱあくの中心に、またひとつ、親子の時間をつなぐ場所が生まれている。
▲業務課長の安藤さんは10歳の子どものママ


