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赤城山 世界の「AKAGI」へ
自然体験楽しむリゾートに
2025.01.01
2025年、赤城山は多彩な自然体験を年間通して楽しめる一大リゾート地として生まれ変わる。手つかずの自然が残る山頂部に大規模なキャンプ場と周遊拠点になるランドステーションを新設。オートキャンプのパイオニアとして日本のアウトドアシーンを改革してきたスノーピーク(新潟県三条市)が運営にあたり、地元の人たちとともに創生に取り組む。インバウンドにも力を入れ、「世界のAKAGI」を目指す。
最新のキャンプ場100区画
県立赤城公園の活性化に向け、群馬県は中核となる2施設、キャンプ場とランドステーションの整備計画をまとめた。2025年秋の開業を目指す。
「大沼(おの)キャンプフィールド」は大沼湖畔の高台に新設、年間3万5000人の利用を見込む。
100区画を用意、電源を備え快適なキャンプができるサイトをはじめ、フリーサイト、ドッグランサイトを設ける。建築家、隈研吾さんと共同開発したモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」は注目を集めそうだ。トイレやシャワーを備えたサニタリー棟、受付業務や物品販売の管理棟も設置する。
湖畔には1960年代に整備された無料のキャンプ場(14区画)があるが、最新のキャンプ場のように設備が整っていない。利用者は年間約4000人。新キャンプ場の開業に伴い、2024年度で閉鎖する。
周遊の拠点 ランドステーション
赤城ランドステーションは覚満淵入口近くにあるビジターセンター駐車場に新設する。10万人の利用を見込んでいる。
山頂部を周遊する拠点と位置付け、観光案内所やカフェ、キャンプ用品やアパレル、地元特産品を取りそろえるスノーピーク直営店を集める。
Wi-Fi環境を完備したコワーキングスペースや会議室も設け、「全山冷房中」を謳う涼しい夏季を中心にワーケーションの利用を取り込む。
隣接する旧スキー場はイベント広場として活用、にぎわい創出を図る。
現在のビジターセンターは老朽化し、主にトイレ利用で使われている。ランドステーションの完成後、解体し駐車場にする。
スノーピークが運営
赤城山頂部は昭和30年代に群馬県と東武鉄道が大規模な観光開発に取り組んだ。ケーブルカーやロープウェイを建設、スキー場やホテルも造成され、宿泊客も多かったが、昭和50年代からは日帰り旅行が主流となった。最盛期に100万人を超えていた観光客数は50万人台に落ち込んでいる。
一方、冬季の氷上ワカサギ釣りやスノーシュー、ランニング、トレッキング、ヒルクライムなど、さまざまなアウトドア体験で注目されている。
群馬県はスノーピークや地元住民と協働して整備計画を検討してきた。ブームとなっているオートキャンプを核に地方創生で実績のある同社の子会社が基本構想を策定、2024年12月にスノーピークをキャンプ場とランドステーションの指定管理者に選考した。
地元では期待が高まっている。赤城山観光連盟会長で青木旅館6代目館主の青木泰孝さんは「手つかずの自然が残ったのが大きい。キャンプに来た人たちに楽しんでもらえるよう、食を含めて観光資源を高めなければ。交流している台南市をはじめ、世界中から赤城山に来てもらえるようにしたい」と歓迎している。
※イメージ写真は群馬県提供