interview
聞きたい
【聞きたい 木暮あかりさん<後編>】
15年後の前橋はどう変わったか
『なないろのまち』で再び主演
2026.05.13
2010年公開の青春映画『虹の街』で高校生を演じた木暮あかりさんが、15年後の続編『なないろのまち』で再び主人公を務めた。『虹の街』と『なないろのまち』は5月16日から、前橋シネマハウスで二本立て上映される。企画は当初、15年後の前橋を記録するドキュメンタリーとして始まり、市民に「人にやさしいまちとは何か」を尋ねていった。やがて物語を持つ作品へと形を変え、前作のキャストも再び集まった。後編では変わりゆく前橋への思いを聞いた。
(取材/阿部奈穂子)
人生の年表に太字で残る
――15年ぶりに続編を作ると聞いたときの想いは?
昨年4月、プロデューサーの深井浩さんからLINEをいただきました。最初は続編というより、ドキュメンタリー映画を撮りたいというお話でした。『虹の街』から15年たった前橋の姿を、人々のインタビューを交えて撮りたい。そのインタビュア―をやってくれないかというお話でした。
――即答されたのですね。
私はアナウンサーになっていたので、インタビューならできると思ったんです。しかも、『虹の街』は、私の人生のターニングポイントというか、年表に書くなら太字になるような大きな出来事。その続編ですから。
▲映画『なないろのまち』より
――最初はドキュメンタリーとして始まった企画だったのですね。
そうです。最初の七夕まつりの撮影までは、ドキュメンタリーとして撮っていました。そのあと、撮影スタッフの一人が『虹の街』がとても好きで「せっかくだから続きのストーリーを見たいな」とおっしゃったんです。そこで急きょ、監督が脚本を書かれて物語になったのです。
――突然、主演としてストーリーの中心に入っていった。
そうです。演技をしようと決断する暇もなく、気づいたら主演することになっていました。放送部の部長役だった立川祐希さんも突然呼ばれた形です。でも来てくれてよかった。本当に15年ぶりの再会でした。
▲会社員の立川さん(写真左)と再会し、再び撮影に臨んだ
祭りを支える人の思い
――『なないろのまち』で印象に残っていることは?
三大祭りと言われる初市、七夕まつり、前橋まつりをはじめ花火大会を運営されている方に、たくさんお話を聞けたことです。運営って大変だなあとあらためて感じました。七夕まつりでは商店街の方が普段の営業をしながら、定休日に飾りを作ったり。自分の休みがなくなっても前橋を盛り上げるために動いていたりします。だから続いているのであって、深い思いがないとできないなあと。
――映画のテーマである「人にやさしいまち」という問いをどう受け止めましたか。
エンドロール後に、私が演じる奈緒がその問いに答える映像が流れます。そこは台本がありませんでした。監督から「好きに答えてください」と言われて、取材を通して思ったことも含めて、自分の言葉で答えました。
▲映画『なないろのまち』の撮影を振り返る木暮さん
15年前と今をつなぐ
――15年の間に、木暮さん自身の人生も変わりましたね。
大学を卒業して2016年にエフエム群馬に入り、7年間アナウンサーの仕事をしました。3年前に辞めて、いまはフリーランスで声の仕事をしています。イベント司会やナレーション、話し方教室の先生。それとは別に、視覚障害がある方に向けて音声解説の台本を書く「ディスクライバー」という仕事もしています。私生活の方も、放送作家の夫と結婚して、いまは東京で暮らしています。
――同じようにこの15年で前橋は変わったと思いますか?
大きく変わったと思います。特にまちなかは昔は本当に静かでしたが、いまは新しいお店ができて人通りが増えました。移住してくる方も多い。東京に住んでいる美術好きの友人から、「白井屋ホテルに泊まりに行ってみたい」なんて言われるようになったのは誇らしいですね。
――これから先も前橋は変わるのでしょうね。
だからこそ映像に残しておくことは重要だと思いました。2作品とも、きっと将来、貴重な映像になると思います。
▲映画のキーとなる絵
二本立てだから意味がある
――5月16日から、前橋シネマハウスで二本立て上映されます。観客にどう受け取ってほしいですか。
日々のできごとに追われ、住んでいる街のことを考える機会ってなかなかないと思います。15年前の前橋の景色と、いまの前橋の景色を見ながら、その間の自分の変化も感じてもらえると楽しめると思います。
――『なないろのまち』の最後、打ち上げ花火のシーンは印象的でした。
上州花火工房の蟻川社長のご厚意で上げていただきました。一人占めで見せていただいてぜいたくな時間でした。前作も今作も、みなさんが「前橋のためなら」と協力してくださり、その結集した姿が映画に込められている気がします。多くの方にご覧いただきたいです。
▲映画『なないろのまち』より
こぐれ・あかり
1993年生まれ。群馬県前橋市・赤城山の山頂で育つ。共愛学園中学校・高等学校、国際基督教大学卒業。2016年エフエム群馬に入社。2023年退社。現在はフリーランスのナレーターとして活躍。


