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【まえばし 服と人▶2】
3000円という選択
ブティック「JOY」秋葉史絵さんの店づくり
2026.01.30
前橋・馬場川通りを歩いていると、思わず足を止めてしまう店がある。白井屋ホテルの向かいに立つブティック「JOY」。店頭には「税込み3000円」と書かれた洒落たニットやワンピースがずらりと並ぶ。それも、どこか目を引くディスプレーで。だが、店内に足を踏み入れると、そこにはまた違った世界が広がっている。価格帯の異なる国内外の洋服700~800点に靴やバッグ、アクセサリーまで。多様なファッションを扱う店主、秋葉史絵さんが続けてきた店づくりとは――。
(取材/阿部奈穂子)
ブティックの敷居を下げたい
店先に並ぶのは、いずれも手に取りやすい価格の服だ。けれど、いわゆる特売品のような軽さはない。落ち着いた色合いに体の線を拾いすぎないシルエット。ニットやカットソーはほどよい厚みがあり、さっと着るだけで形が整う。
「ブティックは入りにくい、敷居が高いと思われがちでしょ。だから、まずは気軽に入ってもらいたくて」。秋葉さんがあえてこの価格帯を“入口”に据えているのはそのためだ。
▲奥行きのある広い店内にたくさんのマネキン
店内に一歩入ると世界観は変わる。広い空間に洋服は常時700~800点。イタリア製のアイテムもあり、価格帯は幅広い。洋服だけでなく、アクセサリーやバッグ、靴までそろい、ここに来れば全身の装いが整う。
35年前、前橋・銀座通りで店を開いた。18年前、現在の馬場川通りへ移転。店の場所は変わったが、「入りやすい店でありたい」という姿勢は変わらない。
顧客の年齢層は10代から90代までと幅広く、「4世代で通われているお客様もいるんですよ」と話す。
▲どこか個性のある洋服がそろう
着やすくて軽くて洗える
秋葉さんはかつてアパレルの「ビギグループ」に就職。馬場川通りにあった「メルローズ」などで接客の経験を重ね、服の見せ方や選び方を学んだ。
現在のJOYがある場所は、かつて自身が働いていた店舗の跡地でもある。時を経て、同じ通りで再び服に向き合うことになった。
▲特売品といえども、頻繁に丁寧にディスプレイを変える
仕入れの基準は「着やすい」「軽い」「洗える」「きれいに見える」の4つ。毎週のように都内へ足を運び、自分の目で確かめたものだけを店に並べている。
仕入れる商品はすべて買取だ。「自分が納得したものを責任を持って売りたいから。お客様にも値段の面で還元できる」
常に安価で販売しているため、一年を通してセールは行わない。白井屋ホテルの開業以降は海外からの来店客も増え、「安い」「おしゃれ」と洋服を土産に選んでいく人の姿も見られるようになった。
▲店の真ん中に大きなデスク。ここでお客様とファッション談義に花を咲かせることも
やりがいは、「新しい一着と出会えたときのお客様の笑顔です」と秋葉さんは話す。「ときには自分の殻を少しだけ破ってみてほしい。そこから、新しい自分が見えてくることもあるから」。そんなお手伝いをしたくて、日々店に立っている。
気負わず立ち寄れて、少しだけ気分が変わる。JOYは装いを通してその一歩を後押ししてくれる場所だ。
店舗情報
ブティック「JOY」
- お問合せはこちら
- 027-234-8158
| 住所 | 前橋市千代田町4-2-12 |
|---|---|
| 営業時間 | 11時~19時 |
| 定休日 | 水曜 |
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