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【中間報告】県民会館アンケート1095件
残してほしい派が6割超

2025.07.12

【中間報告】県民会館アンケート1095件
残してほしい派が6割超

 群馬県民会館の廃止・解体が決まりました。前橋新聞mebukuは7月9日から、県内外の方を対象にアンケートを実施しています。11日23時の時点で1095件の回答が寄せられ、「残してほしかった」「判断が早すぎた」とする声が61.2%にのぼりました。自由記述には、思い出、疑問、感謝、そして再考を願う切実な想いが綴られています。

思い出の舞台を、まだ失いたくない

 「吹奏楽コンクールで初めて大きな舞台に立った」「演劇部の県大会。出番を待った袖の匂いを忘れられない」。
 アンケートの自由記述には、県民会館とともに過ごした時間が、今も生き生きと息づいています。
 小中高の発表会、文化祭、音楽鑑賞、コンサート、映画——。
 思い出の“ステージ”が、今、失われようとしています。多くの人にとって、それは「気づかないうちに決まっていたこと」でした。
 「建物の重厚な佇まいが好きだった」「昭和の空気がまだ残る、貴重な建築だったのに」といった声は、前橋市民にとどまらず、県内外からも届いています。

声が届く前に決まった。でも、まだ遅くない

 驚きと戸惑い、そして悔しさ——。もっとも多かったのは、そんな気持ちを訴える声でした。
 「費用がかかるのは理解しています。でも、ほかの活用方法は本当に検討されたのでしょうか」「なぜ、あんなに急いで壊すことにしたのか」。多くの人が、「自分たちには何も知らされないまま決まっていた」と感じています。
 「文化施設に十分な予算を投じてこなかったツケでは」と、行政の姿勢に疑問を投げかける声もありました。

 一方で、「老朽化が進み、安全性に問題がある」「音響や設備も限界だった」と、解体をやむを得ないとする意見も寄せられています。
 「今後の文化発信には、より良い施設が必要」「次の世代に投資を」と、新たな整備方針を支持する声もありました。「思い出だけで残すのは難しい」「利用されなくなっていた現実も見てほしい」といった冷静な指摘もあります。
 賛否は分かれていても、多くの人が「もっと説明してほしかった」「市民の声を聞く機会があってもよかったのでは」と感じています。

感謝も別れも、まだ伝えられる

 「ありがとうと、ただ一言伝えたかった」「せめて最後に、中を見せてほしかった」。そんな書き込みもありました。
 「先日、解体のことを知らずに通り過ぎ、後から『もう見納めだったんだ』と思い、涙がとまりませんでした」「取り壊す前に、ロビーに“思い出ノート”を置いてくれていたら…」。
 アンケートの回答者のうち、約半数が「よく利用していた」と答えています。
 居住地は、前橋市内が57.7%、県内他地域が34.5%、県外が7.8%。
 それぞれの人生の中に、この建物は確かに存在していました。

 県民会館は、まだそこにあります。解体が決まっても、声は届きます。寄せられた一つひとつの言葉には、思い出と切実な願いが込められています。
 前橋新聞mebukuはこの声を、「県民会館への手紙」として随時ご紹介していきます。

※群馬県民会館アンケートは7月31日まで受け付けています。どなたでもご回答いただけます。所要時間約3分。

🌱 群馬県民会館アンケートに回答する

 

実施期間:2025年7月9日(水)~7月31日(木)
 結果公表:前橋新聞mebuku web版にて後日掲載予定