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デジタル庁 前橋に移転を
平大臣に太陽の会が直訴

2025.04.30

デジタル庁 前橋に移転を
平大臣に太陽の会が直訴

 前橋市の民間主導の地域再生の取り組みを視察するため、平将明デジタル担当相は4月30日、前橋市中心街を歩いて回った。太陽の会のメンバーとの意見交換会では、デジタル庁の前橋市への分散移転を求める声に対し、「支局、分局を持っていくことはないことはない。宿題として話は伺う」と前向きに答えた。

「アートが詰まっている」

 平担当相は太陽の会の田中仁会長と前橋まちなかエージェンシーの橋本薫代表理事の案内で中心街を2時間ほど散策した。

 水曜とあって定休日の商店が多かったが、「昭和のいい雰囲気が残っている」と好意的に受け止めた。

 中央通りでパーラーレストラン「モモヤ」を見つけると、「ここがモモヤか。『今日から俺は‼』の大ファン。聖地巡礼だ」と大喜び。

 「八百駒」の前を通る際は自身が大田市場にある野菜仲卸の3代目であることを語り、後継者がいることを歓迎した。

 弁天通りでは大衆食堂「べにや」跡地に2カ月前開店した「円(まどか)」で店長の玉橋南実さんとおしゃべりを楽しんだ。店舗2階の民泊施設が規制で年間180日まで営業できないことを聞くと、地元の大田区が全国で初めて特区民泊を申請したことを紹介し、「前橋も特区を取ればいい」と助言した。

▲食堂兼ワインバーの「円」の前で

▲白井屋ホテルを撮影する平担当相

 平担当相は広瀬川沿いに太陽の会の協力で設置した岡本太郎作の「太陽の鐘」、住居、ギャラリー、レストランの複合施設「まえばしガレリア」や「アーツ前橋」を見学、「アートが街に詰まっている」と評価した。

▲「太陽の鐘」の前で

令和版企業城下町も有力候補

 太陽の会の会員との意見交換会では要請されたデジタル庁の移転について、霞が関に集中する省庁の分散を推進する方針を示しながら、「1200人の職員の4分の1がリモートワークになっているとはいえ、支局、分局を持っていくことはないことはない」と含みを残した。

 いろいろな規制が緩和される国家戦略特区について、田中さんが「地方は交通問題が一丁目一番地になる」と指摘すると、JR前橋駅と群馬県庁を結ぶ新たなメーンストリートでの利用を提案。「全自動AIバスやタクシーを運行させればやりやすくなる。群馬県民の移動に掛かるお金が劇的に下がる」と強調した。

 平担当相は白井屋ホテルをはじめとするデザイン性の高い施設群を高く評価、「エコシステムは整い、ピースはほとんどそろっている。新しい政策をどこでやるか。その一つだということは間違いない」として、政府が重点政策としている令和版企業城下町構想の有力候補であることを示唆した。

 

▲太陽の会の会員との意見交換

群馬県庁や富岡製糸場を視察

 平担当相は地方創生交付金を活用した次世代移動サービス「GunMaaS(グンマース)」や民間主導のまちづくりプロジェクトを視察するとともに、地方におけるデジタル技術の活用に関して意見交換するために来県した。

 前橋市中心街の視察に先立ち、群馬県庁でグンマースとマイナンバーカードを活用した若者向けのバス運賃割引サービスを体験、5月1日は富岡製糸場を視察する。