interview
聞きたい
【聞きたい 西川俊介さん▶1】
突然のモテ期から俳優へ
2025.04.26
ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを獲得し、俳優となった前橋市出身の西川俊介さん。映画やドラマ、舞台で大活躍している。子どものころの夢はプロ野球選手。それがどうして、俳優に変わったのか。
(取材/阿部奈穂子、撮影/七五三木智子)
母親の勧めでジュノンに応募
――運動神経抜群だと聞きました。子どもの頃はどんなスポーツを?
小1から野球をやっていました。「城南イーグルス」という前橋の地域のチームで。小5から硬式に転向し、「高崎ボーイズ」に入りました。プロ野球選手に憧れてそれからは野球ひと筋でした。坊主頭でね。
――俳優になろうと思ったきっかけは?
高崎商科大附属高に進み、突然、モテ期が来ちゃって勘違いしたんですね。どこまで自分のイケメンが世間に通用するのか、挑戦したいなあって。大学入学後、母親に「俳優になりたい」と言ったんです。
――どれだけモテたんですか。
学園ドラマのようにモテましたね。男子が少ない高校だったのもあるんですが、校門に一歩入った瞬間、女の子たちの視線が集まり、教室では勝手に写真撮られ、行くとこ行くとこ女の子の列ができて。あれはびっくりしました。
――「俳優になりたい」と言ったときのお母様の反応は。
「ジュノン・スーパーボーイ・コンテストを受けてみなさい」と言われました。諦めさせようとしたんです。1万5000人ぐらい応募者がいるので、無理だろうと。もともとは消防士になろうと決めて、そういう関係の大学に進んだので。母も公務員になってほしかったんでしょうね。
――コンテストで準グランプリを獲得されました。
大学1年のときは二次審査で落ちたんですが、その翌年、準グランプリをいただきました。母も驚いて、でも応援してくれるようになりました。
――テレビ、映画、舞台、いろいろ活躍なさっていますが、あえて言うとどれが好きですか。
どれも魅力はあるんですけど。やっぱり映像系でしょうか。もともとそっちをやりたくてこの世界に入ったので。
でも、舞台も好きです。ライブ感がありますし、生でお客さんの反応がわかるじゃないですか。逆にセリフが飛んじゃったらって怖さもあるんですけれど。
――映像が好きな理由は?
毎日シーンが違ったり、ロケ地が変わったり。その辺が楽しいですね。
あと、僕の発声の仕方は絶対、映像なんですよ。舞台俳優さんってもっと声が通ったり、腹式で喋ったりするので。
変身姿に鳥肌
――いままでで転機になった作品があるとしたらなんですか。
やっぱり、デビューの翌年、主役を演じた「手裏剣戦隊ニンニンジャー」ですかね。自分自身も小さい頃から戦隊ものとか仮面ライダーとか見て育ってきて、ヒーローになりたかったので。自分が実際に変身した映像を見たときは鳥肌が立ちました。
――お母さんも喜ばれたでしょうね。
そうですね。いまだに実家に行けば、ニンニンジャーのグッズが山ほど飾ってあります。
▲主役のアカニンジャーに抜擢。写真はテレビ朝日HPより
――第二の転機は?
2016年に「THE面接」という舞台に出ることになっていんですが、本番直前に肺炎になって降板したんです。自分自身とても悔しかったですし、やっぱり俳優だったら体調管理もちゃんとしないといけないと思い知らされました。
演出の樫田正剛さんが本当に芝居に厳しい方で、それがいまの自分の芝居の原点になっているのに、その舞台に立てなかった。後悔があります。
――樫田さんはどんな教えだったのですか
いま何を思ってその動きをしたのか、そのセリフを言ったのか、全部細かく芝居をつくり、教えてくださる方で、そこで初めて芝居の理論を学んだような感覚がありました。樫田さんと出会って明らかに芝居が変わりました。恩師です。
にしかわ・しゅんすけ
1994年、前橋市生まれ。前橋一中―高崎商科大附属高卒。大学時代、ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト準グランプリ&特別賞受賞。2014年、ドラマ「GTO」で俳優デビュー。テレビ、映画、舞台で活躍。


