interview
聞きたい
音楽で温まろう
11月、12月に吹奏楽演奏会
2024.11.08
前橋市内で活動しているアンサンブルシエール吹奏楽団、SGPウインドオーケストラ、前橋市民吹奏楽団が、市内や近郊で11、12月に演奏会を開催する。歴史のある3団体の、音楽に懸けるそれぞれの個性を味わえる。(取材/柁原妙子リポーター)
客席からの声は宝の山
アンサンブルシエール吹奏楽団
創団25年目のアンサンブルシエールは前橋商業高吹奏楽部OBOGバンドが前身。演奏の実力はもちろん、大型打楽器をすべて団で保有する熱量あふれる楽団だ。20代から50代まで幅広い年代の約50人の団員が、第1部はクラシック、第2部はポップスの全8曲を演奏する。団長は福島久登さん、指揮は山田考史さん。
「1部の注目は『ガイーヌ』です。『レスギンカ』、『剣の舞』など6楽章を演奏します」。また「コンクール課題曲には素敵な曲がたくさんあるので、過去のものを毎年必ず演奏しています」と副団長の中里美穂さん。
シエールは観客との交流を積極的に行っており、「アンケートの回答がきっかけで始めた、お誕生日が演奏会の日に一番近い人先着3名を生演奏で祝う企画が好評で、今回も行います」。第2部終盤でバリトンサックスがソロで活躍する曲を披露するが、これも「低音がかっこいい曲」のリクエストに応えるものとなっている。
バスクラリネット奏者の中里さんは司会も担当。歯切れの良い語りで、ユーモアを織り交ぜた曲紹介も楽しめる。
アンサンブルシエール吹奏楽団 第19回定期演奏会
会場 玉村町文化センター 大ホール(玉村町福島325)
日時 11月17日日曜 13時開場 13時30開演
入場料 無料
曲目 「交響的序曲」「バレエ音楽『ガイーヌ』より」 「アフリカン シンフォニー」「三木たかしヒットメドレー(津軽海峡冬景色、アンパンマンのマーチ、ブーメランストリートほか)」「魔女の宅急便」 ほか
31年ぶりに集結
SGPウインドオーケストラ
1990年結成、恩師との約束でその名前と出身中学は明かせないOBOGバンドで、当時指導を受けた曲のみを演奏する。48歳から55歳で構成され、登録は40人程度。過去に4回演奏会を開いた実績がある。今回は約30人で、全11曲を披露する。指揮は島崎数也さん、渡辺義夫さん。
1部クラシカル、2部ポップスのオーソドックスな形式で、1部では昭和62年に全国大会で銀賞を受賞した「風紋」を演奏する。副実行委員長の小出啓一郎さんは「当時の上手かった記憶があるので、今の演奏は謙遜ではなく本当に下手です。恩師に聴かれたら、きっと『やめちまえ』と言われる」と話すが、団員の中にはプロの演奏家が数人いて、2部にはソロで聞き応えのある曲もあるという。
実行委員長の吉田聖司さんによると、「昨年11月に恩師が亡くなり、今年2月に恩師の友人や教え子有志で追悼コンサートが開かれました。それを聴いて、楽器から離れていた人が熱を帯び、またやろうという流れになりました」。中には、楽器を購入し中学以来40年ぶりに吹くという人もいるそうだ。
SGPウインドオーケストラ演奏会
会場 群馬県社会福祉総合センター8階 大ホール(前橋市新前橋町13-12)
日時 12月7日土曜 13時30分開場 14時開演
入場料 無料
曲目 「マーチ・オーパス・ワン」「風紋」「め組のひと」「北の宿から」「コーラスラインより“ワン”」ほか
マチネ気分で
前橋市民吹奏楽団
来年40周年を迎える前橋市民吹奏楽団は、45回目の定期演奏会。団長は中里泰登さん。 1部クラシック、2部セミクラシックで、重厚な9曲を19歳から64歳の 54人で奏でる。指揮は山本佳弘さん、渡辺義夫さん。
「プログラム全体のテーマは、オペラ、ミュージカル、民謡などの“うた”と、バレエ、ダンス、舞曲などの“おどり”です」と、打楽器奏者で実行委員長の宮原麻希さん。「プッチーニ没後100年にちなみ『トゥーランドット』をメインに据えました。今年のコンクールでは短縮バージョンを演奏し、県大会金賞、西関東大会銀賞を受賞しました。今回は10分を超えるフルバージョンなので、団員も気合い充分です」と話す。
2部の「アニー」では、群馬大学附属中学校音楽部をゲストに「トゥモロー」などを歌唱付きで演奏する。
「レ・ミゼラブル」も大曲。「夢やぶれて」のオーボエSolo、「宿屋の主人の歌」のユーフォとサックスのSoli、終盤にかけて壮大になっていく『民衆の歌』など、注目ポイントも盛りだくさんだ。
前橋市民吹奏楽団 第45回定期演奏会
会場 昌賢学園まえばしホール 大ホール(前橋市南町3-62-1)
日時 12月22日日曜 13時15分開場 14時開演
入場料 無料
曲目 「キャンディード序曲 」「トゥーランドット 」「レ・ミゼラブル 」「リバーダンス 」「ミュージカル『アニー』」ほか