gourmet

食べたい

そば処 久田屋
とんとん汁でどうです

2025.06.03

うどんが膨らむ熱々の汁

 「いつものお願いね」と梅おろしそばを仲良くいただくご高齢の夫婦、かつ丼と蕎麦のセットをがっちり食べる若い男性4人組。「前の」東京オリンピックが開かれた1964年創業の町の蕎麦屋さんはいまも多くのお客さんに愛されています。

 石臼挽き自家製粉の手打ちそばが定評ですが、うどんも美味しいんです。「TONTONのまち」を売り出そうと開発した「とんとん汁」にしました。

▲ゴマ油が蓋をするように保温します。具もいっぱい

 「お熱いので気をつけて」。女将さんに注意を受けながらもつけ汁の器に手を付けると、熱っ。確かに、熱い。それと、香ばしいいい香りがします。

 もっちもちのうどんをしばし汁に浸して…。一気に啜ります。旨い。味噌味でした。これは珍しい。あっ、でも、とんとん汁は味噌が基本でしたね。

 汁の具は素朴にして豪華。豚肉にシイタケ、シメジ、マイタケ、さらにニンジン、ネギ、油揚げが入っています。「具をサラダ油で炒めてから汁を加え、仕上げにゴマ油を垂らすそうです」と女将さん。香ばしさの秘訣はこれだったんですね。

▲中太のもっちりしたうどん。カツオ節がうれしい

 うどんは柔らかめ。汁に親しみやすく、味がよく染みています。うどんには海苔でなくカツオ節が掛かっていて追いガツオに。さらに風味が増します。

 途中で七味を振って味変します。元の汁が塩分控えめ。気が付けば完食、完飲していました。

▲うどんは汁を吸って膨らむよう

83歳の創業者は元気印

 店主の久保田晋さんは御年83。アイデアマンでとんとん汁や栄養満点の長寿そばなど独自メニューを開発してきました。群馬県食品衛生協会の会長も長く務めています。

▲3つの味を楽しめる長寿そば

 厨房は娘婿さんが中心になりましたが、まだまだお達者。「50年の付き合いのある取引先が倒産したりと飲食店経営は厳しいが、うちの味を楽しみにしてくれるお客さんのために頑張ります」と生涯現役を誓っています。

▲さっぱり味のなめこおろしそば

店舗情報

そば処 久田屋

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027-224-2137
住所 前橋市文京町1-30-15
営業時間 11時~19時
定休日 水曜