音政鮨
地域に愛され44年

　趣きのある玄関の戸を開けようとしたら、自動ドアでした(笑)。カウンターは昼から宴会のご近所の女性５人で埋まっていたため、小上がりで一人くつろがせていただきます。

　元気な女性たちに負けじと、特上寿しをお願いしました。カウンターではご主人が黙々と寿司を握っています。女将さんが「これでも食べててね」とお新香とキュウリの酢の物を持ってきてくれました。こういう心遣いががうれしいですね。

　しばらくして寿司のご登場です。握り７貫に巻物１本。マグロが３貫に巻物も中トロ鉄火とマグロ好きな前橋らしい構成です。

　鉄火から箸を伸ばしました。巻物で一番好き。マグロの部分が大きくていいですね。シャリの硬さもちょうどいい感じ。これは期待できそうです。

　続いては蒸し海老とホッキガイをいただきましょう。ホッキも軽く茹でてあり、足の部分がピンク色になっています。肉厚で素晴らしく柔らか。活ホッキは磯の香りがあって、それも好きですが、火を通すと甘みと旨みが強くなりますね。ほどよい弾力があるエビといい、いい仕事しています。

　軍艦はウニとイクラの最強コンビです。どちらも仕入れ価格が高騰し、ウニにいたっては「特上」にも見かけないことがあります。イクラもウニもたっぷり。幸せを味わいましょう。

　マグロは中トロ２貫に赤身１貫でした。赤身も小トロといった感じで脂が乗っています。贅沢にもネタが厚いですよ。これはうれしい。やっぱり、「マグロは前橋に限る」鉄則は生きています。

　暖簾をかかげて44年になるそうです。通しで営業し、ご近所の社交場のようになっています。