interview
聞きたい
【聞きたい 天田えまさん】
前橋の声優の星になる
2026.05.26
前橋市出身の声優、天田えまさんが夢に向かって歩みを進めている。高校時代にアニメと声優の芝居に救われ、大学時代は養成所へ。前橋市役所勤務を経て都内の事務所に所属し、朗読劇の舞台で第一線の声優たちと共演した。今はオーディションの日々に挑みながら、誰かの心を動かす役を目指している。
(取材/阿部奈穂子)
深夜アニメが原点
――声優を目指したきっかけを教えてください。
高校1年のとき、深夜アニメの『おそ松さん』に救われたことです。
――救われた、というのは。
中央中等教育学校に進み、周囲の勉強のレベルに圧倒されて落ち込んでいました。現実逃避できたことも大きかったのですが、それ以上に心を動かされたのは声優の芝居でした。
――声優の芝居に、どんな衝撃を受けたのでしょう。
同じ人が、まったく違うキャラクターを演じている素晴らしさです。声だけで別の人物を立ち上げる仕事の奥深さに衝撃を受けました。
――そこから本格的に学び始めたのですね。
はい。大学時代はアルバイトでお金をためて、声優養成所に通っていました。
前橋で重ねた時間
――大学卒業後は、どんな形で活動を続けたのですか。
前橋市役所の契約職員として働きながら、声優活動を続けていました。
――市役所を選んだのはなぜですか。
前橋のことをもっと知りたかったし、地元に関わる仕事もしたかったんです。そのおかげで、群馬県公式動画や道の駅まえばし赤城のナレーションなども担当させていただき、とても良い経験を積めたと思っています。
――東京へ移ったのは、どんなタイミングでしたか。
昨年、都内の事務所に所属しました。仕事が増えたことを機に、前橋の実家を離れて、東京で初めての一人暮らしを始めました。
――事務所に入るとき、不安はありませんでしたか。
事務所の社長には「声優は一発逆転の世界。オーディションの日々だけど大丈夫か」と聞かれました。でも迷いはありませんでした。
――いまは、どのくらいオーディションを受けていますか。
月に10本前後です。受からなければ仕事はないので、へこむこともあります。でも、「じゃ、次、行こう」と切り替えられるようになりました。
誰かの人生を動かしたい
――最近、印象に残っている仕事はありますか。
4月上旬、神谷浩史さんや木村良平さん、江口拓也さんらが出演するKiramune Projectの朗読劇に、アンサンブルとして出演しました。神谷さんは「おそ松さん」の主演で、この世界に入るきっかけになった方。その方と同じ舞台に立てたことは本当にうれしい経験でした。練習に通うだけでも楽しかったです。
――そうですよね。学びも多かったのでは。
毎回撮影される稽古映像を見返しながら、自分に足りないものをはっきり思い知らされました。私はまだ、読んでいるだけ。でも、トップ声優さんたちは読んでいない。その人を生きているんです。
――その差を知ってどう思いましたか。
まだまだだなと思いました。でも逆に、ファイトも湧きました。
――これから、どんな役を演じたいですか。
アニメで人生が変わったからこそ、自分もまた誰かの心を動かす役を演じたいです。
――加わってみたい作品はありますか。
『ウマ娘』や『アイドルマスター』みたいな作品に加わりたいです。できれば、はかなくて、つらい過去があるようなヒロインを演じてみたいと思っています。
あまだ・えま
前橋市生まれ。県立中央中等教育学校―駒沢大卒。前橋市役所契約職員を経て、2025年7月、声優事務所「REBOOT」に所属。ラジオ「堀江淳のファインミュージックアワー」アシスタントのほか、ナレーション、司会、朗読劇、映画など幅広く手がける。


