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「前橋空襲」と「前橋文学館」
みやま文庫が新刊2冊発刊
2025.12.22
会員制で郷土に関する書籍を出版する「みやま文庫」は最新刊2巻、『前橋空襲80年』(第254巻)と『前橋文学館は出来事である。』(第255巻)を発刊した。『前橋空襲』は戦後80年の節目に合わせて前橋空襲の語り部である原田恒弘さんが編集。『前橋文学館』は詩人、萩原朔太郎の孫で前橋文学館特別館長の萩原朔美さんが文学館を率いてきた10年間の足跡を振り返っている。
前橋空襲を次代へ繋ぐ
『前橋空襲80年』の編者、原田恒夫さんは7歳の時、前橋空襲に遭った。広瀬川河畔の比刀根橋防空壕に逃げ込み、多くの人が命を落とす中、奇跡的に生還。米寿となったいまも体験談を語り続けている。
▲前橋空襲の語り部、原田さん
本書は3章で構成する。
第1章は原田さんが「わたしの前橋空襲」と題して、前橋空襲の生々しい惨禍を中心に戦時下や戦後の暮らしを綴っている。防空壕の中の様子は「阿鼻叫喚、そんな状態から断末魔のあがき、命の終焉が刻一刻と迫ってくる」と表現している。
第2章は前橋市文化財保護指導員の田名網雅久さんが「米軍が撮影した空襲後の前橋」をまとめた。焦土となった中心街で奇跡的に焼失を逃れた麻屋百貨店をはじめ豊富な写真を掲載、解説している。
第3章は考古学者の菊池実さんの「前橋空襲を検証する」。米軍の史料を基に空襲の実態を分析するとともに、前橋市が発行した『戦災と復興』(1964年)に収録された空襲体験者の証言を検証している。
クレームは称賛の裏返し
『前橋文学館は出来事である。』は萩原朔美さんが前橋文学館の館長に就任した2016年4月以来、新鮮な発想により文学館の企画展や朔太郎忌といったイベントを刷新、全国の文学館、文化関係者を驚かせたことを紹介している。
10年の取り組みを歴史に刻まれる画期的な文化運動ととらえ、著者の文章、インタビュー、対談で活動の内容、意図、波紋を多面的に紹介している。
▲前橋文学館を劇的に改革した萩原さん
3章で構成、第1章「前橋文学館の冒険」は図録や新聞などで発表された評論、コラム約60編を収録している。
第2章は「創造という旅」と題して、みやま文庫の藤井浩編集長が聞き手となり、①改革宣言②前橋文学館まで③朔太郎大全から-の3項目につてインタビューしている。
谷崎潤一郎の企画展の際、「変態だっていいじゃない。」との大胆なキャッチフレーズを採用、入館者からクレームが来ると、「それを聞いて、成功だと思った」と応えるなど、随所に朔美さんの独創的な話が登場してくる。
第3章「未来に向けた対話」は群馬県立土屋文明記念文学館長(当時)の篠木れい子さんと「『詩(うた)のまち前橋』の可能性」をテーマに2018年2月に行った対談を掲載している。
序章では「折々のアフォリズム」と題して、前橋文学館公式ホームページに公開された「館長の言葉」33編を盛り込んだ。
『前橋空襲80年』(みやま文庫第254巻)
・著者 原田恒弘、田名網雅久、菊池実
・表紙 久保繁
・判型 B6判、本文197㌻
・価格 会員1500円、一般2000円
・発行 2025年12月9日
・印刷 朝日印刷工業
『前橋文学館は出来事である。』(みやま文庫第255巻)
・著者 萩原朔美
・表紙 居城達志
・判型 B6判、本文260㌻
・価格 会員1500円、一般2000円
・発行 2025年12月9日
・印刷 朝日印刷工業


