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遊びたい

「宝物を掘り出しました」
「ほぼの駅 AKAGI」完成で糸井さん

2025.11.01

「宝物を掘り出しました」
「ほぼの駅 AKAGI」完成で糸井さん

 「ほぼの駅 AKAGI」が11月1日、試験営業を始めた。前橋市出身のコピーライター、糸井重里さんが創業した「ほぼ日」(東京都)が赤城山鳥居峠の旧赤城登山鉄道駅舎を改修して運営する交流拠点。関東平野を見渡せるテラスが開放され、地元食材を使った料理や限定グッズを販売する。かつて赤城山で徳川埋蔵金探しのプロジェクトを手掛けた糸井さん。「素晴らしい自然という『宝物』を掘り出しました」と笑顔で語った。グランドオープンは来年4月を予定している。

赤城南麓の豚肉とミルク

 旧駅舎は登山鉄道として運行されていたケーブルカーの終着駅。「赤城山頂駅記念館サントリービア・ハイランドホール」となり、2018年には国の登録有形文化財に指定された。事業継承を模索していた運営会社から「ほぼ日」が建物を引き継ぎ、「誰もが立ち寄れる」交流の場として蘇らせた。

▲「ほぼの駅 AJAGI」の外観

▲駅名が書かれたフォトスポット

 外観はヨーロッパの古い駅舎をイメージした。「名画に匹敵する」と糸井さんが絶賛する絶景を楽しめるように大きな窓を設けた。テラス席からは運が良ければ壮大な雲海を望める。

▲手前は覚満淵、奥は大沼を望む

▲遠く東京スカイツリーが見える

 レストランとしての機能を充実させ、「豚とキャベツ」をテーマにしたメニュー構成とした。赤城南麓で育てる近藤スワインポークを使った豚汁やハンバーグを提供。同じく赤城南麓の牧場、スリーブラウンのブラウンスイス牛のミルクを使った濃厚なソフトクリームも名物となりそうだ。

▲2種類の豚汁。トマト味のイタリア的(左)と伝統的なジャパン

▲濃厚なソフトクリームはコーヒーとともに

 ショップでは人気の「ほぼ日手帳」をはじめ、ほぼ日オリジナルグッズを販売する。切符をモチーフにした「ほぼの駅」限定グッズもそろえている。

 「もともとは終着駅だった場所ですが、『ここから行きたい場所へどこだっていけるよ』という『希望への出発の駅』のような思いもこめて、『駅』という名前を残しています。駅ですからここは、どんな使い方もできます」と話す糸井さん。赤城山がワクワクしてきた。

▲ここだけしか手に入らないグッズも

▲開業祝いに訪れた ジンズCEOの田中仁さん

「うまい。見出しになるようです」
糸井さんに直撃インタビュー

 αオープンと名付けた試験営業に図々しくも1番乗りして、「0001」のシリアルナンバーの開業記念切符を手にした本誌記者。調子に乗って、糸井さんに聞きづらい、あの話も聞いてみた。

――糸井さんと赤城山の出会いはいつですか。

 高校時代に仲間と、5人くらいかな、夜中に赤城山に行こうという話になって。歩いていたら、トラックの運転手さんが鳥居まで乗せていってくれて、そこから歩きました。牛がいることころで休んだりして、結構しんどかったですよ。真っ暗な道をひたすら歩いて。

 で、途中で朝になる。「朝日はきれい」なんてことを言っている暇はなかったですね。帰りは忠治温泉の方から帰りました。はい、歩いて。

――スキーには行きましたか。

 いえ、1度も。近すぎてなめていたんですよ。雪も少なかったし。ただ、雪質はいいんだってことをこの前聞きました。

――赤城山は観光開発があまりされないままでした。

 時間が止まっている感覚はありましたね。でも、何となく、この大量消費の中にこの場所が入ってくるっていうことはあまり考えたくないんです。その意味では、赤城のよさが残って、みんな喜んでいるのかな。

――その赤城山に周りと調和しながら新しいランドマークができました。何だか、レトロだけだった中心街に白井屋ホテルができたのと似ているような気がします。

 どうだろう。予算が違いすぎます(笑)。けど、一つできると、何かそのムードができますもんね。

――新しいキャンプ場もできます。

 いろいろ楽しい遊びができるように作っていきたいなとは思っています。冬は雪遊びですよね。結氷する湖も日本中でもあまりないらしいですし。そういうところで遊ぶ方法を考えたいなと思います。

▲糸井さんと11月29日に「ほぼ日」の社長に就任予定の小泉絢子さん

――聞きにくいのですが、糸井さんはテレビ番組で徳川埋蔵金を発見するプロジェクトをされていました。埋蔵金は発見できませんでしたが、「あるとしか言えない」と自著で述べられていました。

 「あるとしか言えない」じゃなく、ないです、あれは。

――でも、ここに宝物があるじゃないですか。

 うまい。そうです。ここだったんですね。「素晴らしい自然と言う宝物」を掘り出しました。見出しになるようですね。

 もともとは終着駅だった場所ですが、「ここから行きたい場所へどこだっていけるよ」という「希望への出発の駅」のような思いもこめて、「駅」という名前を残しています。駅ですからここは、どんな使い方もできます。みなさん、ここは「駅」ですから、出発のおまじないとして切符をもらいに来てください。

――先ほどいただいたのですが、1番でした。

 大谷翔平のホームラン(笑)。ぜひ、パンチを入れてもらってください。

▲パンチしてもらった1番切符

店舗情報

ほぼの駅 AKAGI

お問合せはこちら
027-287-8444
住所 前橋市富士見町赤城山鳥居峠
営業時間 10時~16時(ランチタイムは11時30~14時、13時30分LO)

定休日 火曜、水曜
天候や都合により、営業日・時間が変わることがあります。
お越しの前に、ほぼの駅 AKAGIのSNSで最新情報をお確かめください。