interview
聞きたい
小川市長「市民の声聞きたい」
11月初めにも対話会
2025.10.24
前橋市の小川晶市長は10月24日、「市民のみなさんの声を直接聞く機会を作っていきたい」と述べ、11月初めにも市民対話会を開く意向を明らかにした。報道陣にも公開する方針。市議会から辞職と出直し選挙を求める申し入れを受けたことに対しては、「市政運営の影響や市民のみなさんの声を聞きながら改めて判断したい」と述べ、続投しながら信頼回復に努めるとするこれまでの姿勢を崩さなかった。
自分の考えも伝える
小川市長はこの日開かれた定例記者会見で、既婚の市職員とラブホテルに行っていた問題を巡る記者の質問に答えた。
市民対話会は市民から問題に関する意見を受け付けるとともに、自身の考えを伝える場として計画。「中立の立場で多くの市民に参加してもらえるようにしたい」と語り、オープンな会にする意向。「11月の早い段階でできればいい」と会場確保や運営方法の検討など準備を進めているとした。
対話会での市民の声を自身の去就に反映させる考えだが、「辞職が多いのか、続投が多いのか、量の多さで決めるわけではないんですか」と問われると、「それだけとは考えていません」「最終的な判断は私が結論を下すことになる。いろいろな要素を含めて判断したい」と答え、最終的な判断基準ではないとした。
小川市長は10月13日に開かれた市民対話会に出席したが、支持者が主催した会で報道機関にも公開されず、「オープンな説明会ではなかった」と市民から批判が出ていた。
「期待の声もまだある」
市民の声を問うアンケートには「適切なのか分からない」と慎重な姿勢を示す一方、対話会で参加者からアンケートを取ることを検討しているとした。
前橋新聞me bu kuのアンケートについては「把握しているし、それ以外の署名活動も行われているので参考の一つにはさせていただく」と答えた。アンケートでは過半数の市民が「辞職すべき」と回答したが、支持者が展開している続投を支持するネット投票と合わせて参考にしているとした。
問題発覚後に届いた市民の声について、「みなさん厳しく意見をくださいました」とした上で、「子育て政策や福祉の充実、農業の政策、この1年半で進んできたものを引き続き進めてもらいたいといった強い声をいただき、ここは踏ん張らないといけないなと思った」と強調。「期待の声もまだある。これからも前橋を変えていこうというみなさんと一緒に市政を進めていく決意です」と涙声で訴える場面もあった。
現時点で辞職の考えなし
小川市長をめぐっては、22日に市議会の7会派が「自ら辞職し、選挙で民意を問うことを強く求める」との申し入れ書を提出していた。
これに対し市長は、「多くの会派からの意見を重く受け止めている」と述べる一方、現時点では辞職や出直し選は考えていない方針を示した。
議会から不信任案や辞職勧告が提出される可能性について問われると、「市民の声を聞きながら判断していきたい」と答えるにとどめた。
山本一太県知事が「出直し選挙で信を問うべきだ」と発言したことについては、「知事としての考えということで受け止めている。やはり市民としっかり向き合うことが大事だと考えている」と述べ、対話を優先する姿勢を崩さなかった。


