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参加したくなる市民アート展
『SapoBi 2025』22日から
2025.09.22
アーツ前橋の活動を手伝うサポーターら12人によるグループ展『SapoBi 2025』が、9月22日から前橋市芸術文化れんが蔵で始まった。「自分たちも表現する側になれる」という感動を原点に年に1度開催、今年で6回目。ジャンルは絵画、コラージュ、絵本、紙芝居、缶バッジ、立体、インスタレーションなどと多彩。ワークショップや対話型鑑賞会で、訪れた人もアートに参加できる。
(取材/柁原妙子リポーター)
オープンマインドな作品展
蜜蝋画、日本画、物々交換できる缶バッジ、雑誌などの写真を切り取ったコラージュとドライフラワーを組み合わせた立体コラージュ、廃材を使ったインスタレーション…。熱量溢れる作品が会場いっぱいに広がる。
出品者は何らかの形でアーツ前橋に関わる人たち。アートが好きで、普段から多方面で創作や文化活動に携わっている。会社員ら現役の人もいるがリタイアした人の方が多く、平均年齢はやや高めという。
毎年参加している古屋日和さんの作品は、今年の3月に訪れた遠野をイメージしたもの。恒例のオーブン粘土で作る“ちっちゃい人”を登場させたインスタレーションは、のどかでかわいらしい。
「SapoBi」は、「アーツ前橋サポーターの美術」という名称で始まった。古屋さんは、「アーツ前橋のサポーターとして仲間と出会え、アートに携わることができた。そして岡本太郎展の”芸術はすべての人の創るもの”という言葉から、それまでのサポートする側から、自分たちが創る側にもなれるというきっかけをもらいました。感謝しかありません」と話す。
SapoBiでは自分の作品制作だけでなく、皆んなで作品展を一から作り上げるという醍醐味もある。「お互いに刺激を受け、認め合っている。誰にでも開かれているところは、アーツ前橋の姿勢にも通じている」と古屋さん。
▲古屋さん
出品者同士でコラボレーション
今年初参加の粕川みさ子さんは、小さな絵本を出品。子どもの「臨海学校の思い出」という作文から物語が浮かび、先に画像ソフトで簡単なアニメーションを作成して、そのスクリーンショットを絵本にした。登場するキャラクターのデザインは桑原勇介さんだ。
粕川さんはアーツ前橋で、監視(作品を守りながら、来館者が気持ちよく美術鑑賞できるお手伝いをする仕事)をしている。サポーターとも交流があり、SapoBiへの参加を誘われた。積極的に創作をしているというより、「自然にご縁が繋がって」参加するスタイルと言う。絵画では群馬県展や前橋市民展で受賞歴のある実力派で、絵本の出版経験もある。
2年前、桑原さん発案の明治期に活躍した前橋市の産婆、津久井磯をテーマにした紙芝居で、絵を担当した。会期中、その紙芝居上演会は毎日、桑原さんが開く。
▲粕川さん
▲桑原さん(右)と2人で作った紙芝居
あなたも表現する側になれる
会場の雰囲気に触発されたら、ワークショップを体験しよう。
丸山美智子さんは、果物の梱包に使われた緩衝材を利用して、たくさんのお面を並べたインスタレーションを出品。その作品に、来館者の作成したお面を加えていくワークショップを開く。作品作りを「自分の内面を見つめる時間にしてもらえたら」と丸山さん。作者在廊日に開催、25日全日と26、28日の午前を除く全日程。
「メビウスの輪で世界平和を表現した」紙の立体作品を出品した峯岸赫子さんは、小さなボールで自分の住みたい地球を作るワークショップを設ける。こちらはいつでも体験可能。
この他、折り紙のだまし船で遊ぶワークショップもある。
27日には対話型鑑賞会も開かれる。予約は不要。
SapoBi 2025
会場 前橋市芸術文化れんが蔵
(前橋市三河町1-16-27)
会期 9月22日(月)〜9月29日(月)
10時〜18時
入場料 無料
対話型鑑賞会 27日(土)11時〜、14時〜


