interview

聞きたい

小栗上野介の真実とは
県立図書館で27日に講演会

2025.09.15

小栗上野介の真実とは
県立図書館で27日に講演会

 2027年に放映されるNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』で主人公となる高崎市倉渕町ゆかりの小栗上野介(1827-1868)の実像と功績を考える講演会「小栗上野介の真実」が9月27日、群馬県立図書館で開かれる。絶版になっていたみやま文庫『小栗上野介』の増補改訂版の発行を記念した企画。小栗研究の第一人者で著者の東善寺住職、村上泰賢さんが講演する。

日本の近代化に貢献した幕臣

 小栗上野介は幕末、勘定奉行や軍艦奉行といった幕府の要職を務め、大政奉還後、旧権田村(現高崎市倉賀野町)に隠遁していたところ、新政府軍に無実の罪を着せられ斬首された。日本の近代化に革新的な取り組みをしたとして高く評価されている。

▲小栗上野介(村上昭賢画:東善寺蔵)

 村上住職は共著である『小栗上野介』で「上州権田にかけた夢」を担当、幕末の経済人としての業績、権田村への移住、打ちこわし騒動、野にあっての人材育成、罪なくして斬られた最期と顕彰の歩みを記している。他に小栗に関する著書が多数あり、小栗上野介顕彰会理事を務めている。

 講演会では「幕府の運命、日本の運命-小栗上野介の日本近代化-」と題して、横須賀製鉄所の建設をはじめとする小栗の功績を解説する。

▲ワシントン海軍造船所の見学。前列右から2番目が小栗(東善寺蔵)

▲日米修好通商条約の批准のため乗船した米国軍艦「ボウハタン号」(東善寺蔵)

みやま文庫復刊の裏話

 講演に続いて、みやま文庫編集長の藤井浩さんが「復刊で目指すもの」、編集担当の富澤隆夫さんが「増補改訂版余話」と題して、いま、なぜ小栗上野介に焦点を当てるのか、改訂にあたっての苦労話といった裏話を披歴する。

 申し込みは電話またはメールで。

『小栗上野介』(増補復刻版)

 『小栗上野介』は2004年、みやま文庫の第174巻として初版を刊行した。在庫切れとなっていたが、大河ドラマで小栗上野介が主人公として取り上げられることが決まって以降、購入希望が多く寄せられていることから復刊した。高崎市倉渕町ゆかりの研究者3人、市川光一さん(故人)、村上泰賢さん、小板橋良平さん(故人)が小栗の本当の姿を伝えようとまとめた基本図書。みやま文庫事務局や書店で販売する。B6判 254㌻。価格は一般1500円(税込み)、会員1000円(同)。

講演会「小栗上野介の真実」

メールアドレス taikai@library.pref.gunma.jp
・日時 9月27日(土)
13時30分~15時30分
・会場 群馬県立図書館3階ホール
(前橋市日吉町1-9-1)
・参加 無料
・定員 100人