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対話型鑑賞「ガレリア鑑賞会」
2025.07.11
一つの作品を複数の人で鑑賞し、思ったことや感じたことを語り合う対話型鑑賞。文化ボランティアグループ『対話型アート鑑賞ラボ』は、『まえばしガレリア』でその鑑賞会を定期的に開いている。「面白さを知っているからこそ広めたい」、「自分たちの研鑽を積みたい」という思いが原動力。次回開催は7月26日、参加は無料。どんな会なのか、6月開催の様子を取材した。
(取材/柁原妙子リポーター)
見て感じたままを話す
6月中旬の土曜、男女7人が、県内外から前橋市の「まえばしガレリア」に集った。参加者の年齢は大学生から50代まで。埼玉や東京から駆けつけた人もおり、初参加は3人だった。
ファシリテーターを務めたのは、箱田みどりさんと松嶋広晃さん。気さくな挨拶と説明に続き、参加者がひと言ずつ自己紹介をしたのち、ギャラリーの中へと移動した。
鑑賞したのは3作品。ギャラリー2から、ヤビク・エンリケ・ユウジさんのコラージュ2点。写真のようなモノトーンの人物表現に、平面と立体、異素材を組み合わせた重厚な作風が特徴だ。ギャラリー1、石田尚志さんの個展からは青と紫の大胆な筆致が印象的な大作を1点。いずれもファシリテーターが事前に選定したものだ。
まずは1分ほど作品を眺め、ファシリテーターの「なんでもよいので、感じたこと、思ったことをお話しください」という声かけで対話が始まる。
「緊迫した空気を感じるけれど、奥に木枠が見えるから逃げ道がある」「女性は怒っていて、男性には余裕を感じる」「黒スーツに倉庫、鉄格子。アウトレイジ感がすごい」——。見たまま、感じたままを参加者が語り、その人ごとに全く異なる話が展開される。
「宇宙人の手では?」「ウナギにしか見えない」といったユニークな声も飛び出し、ファシリテーターは「どこからそう思いましたか?」と丁寧に掘り下げていく。
知識は不要。作品や作家の情報は、ごく限られた場面で補足されたのみだった。
初参加の20代男性は「アートと聞くと身構えてしまうが、感じたことを話すだけなので気軽だった。他の人の感じ方を聞けるのも面白く、話しやすかった」と話した。
ギャラリーならではのラッキー展開
この日は運よく、展示作家のヤビクさんが在廊しており、セッション終了後に松嶋さんの提案で急きょ解説してもらえる展開に。前橋西高校出身のヤビクさんは「こんなに鑑賞者の感想を聞けることはないので楽しく、刺激になった」と語った。
▲解説するヤビクさん(右端)
ガレリアでは毎月開催
ラボ主催のこの鑑賞会は「まえばしガレリア」で毎月開かれており、6月で15回目。参加者は3人のことも11人のこともあるが、リピーターが多く、緩やかに続いている。
県内各地の美術館でも不定期に催しており、このような取り組みは県内では唯一という。主催するのは、NPO法人ARDAのファシリテーター養成講座を修了した箱田さん、松嶋さんを含めた、6人のメンバー。中之条ビエンナーレでの活動をきっかけに2017年に立ち上げた。現在のメンバーは40~60代の主婦、公務員、会社員、学芸員など。
興味がある人は、ぜひ気軽に参加してみて。
ガレリア鑑賞会
日時 7月26日土曜 14時〜15時
場所 まえばしガレリア
(前橋市千代田町五丁目9-1)
参加費 無料
定員 10名程度
主催 対話型アート鑑賞ラボ
申し込み、問い合わせ先
| メールアドレス | taiwa.art.lab@gmail.com |
|---|---|
| ホームページ | https://artdecataroze.wordpress.com/ |


