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ザスパ 世界へキックオフ
ベイシアGが過半数株取得
2025.05.30
サッカーJ3ザスパ群馬の運営会社、ザスパ(前橋市富田町)の株式の過半数を群馬県創業のベイシアグループが取得した。ベイシアグループの一員となったザスパは課題だった財政基盤の強化に成功、選手強化に従来以上の資金を投入することが可能となる。J2復帰を当面の目標に掲げながら、J1昇格、世界基準のビッグクラブに向け新たなスタートを切った。
経営安定、選手強化に期待
ザスパが第三者割当増資で発行する株式について、ベイシア(前橋市亀里町)とカインズ(埼玉県本庄市早稲田の杜)が引き受けることが決まった。2社の議決権保有割合はそれぞれ25・2%で、グループ全体で50・4%と過半数を確保する。
ベイシアグループとザスパの共同記者会見が5月30日開かれ、グループ2社の土屋裕雅会長とザスパの赤堀洋会長、細貝萌社長が増資の経緯や目的、効果を説明した。
▲「スポーツで地域を元気にしたい」と訴える土屋会長
土屋会長は選手が温泉街で働きながらJリーグを目指したザスパの創成期の歴史を紐解き、「オール群馬で応援すれば、必ずや群馬が誇れる世界に通ずるビッグクラブに進化できると信じている」と強調した。従来の支援からグループの重要な事業に昇華させ運営に本格的に参画するとともに、単独ではなくグループがハブとなって他の企業、自治体、サポーターを巻き込み、より広範で強力な支援体制を構築していく構想を示した。
観客の増員については、店舗やオンラインでの誘客に加え、群馬県内に住むカインズ会員50万人、ベイシア会員37万人、グループの従業員や退職者と家族5万人へのアプローチを一例として挙げた。
選手のセカンドキャリア支援にも言及し、「引退後の不安が軽減でき、安心してサッカーに打ち込めるようになる」と指摘。「共創プロジェクト」の強化に取り組む考えを明らかにした。
▲「持続的な成長を可能にする」と増資を歓迎する赤堀会長
赤堀会長はこれまでの支援に感謝し、「世界の舞台に挑戦するクラブに大きな後押しになる。群馬県民190万人の誇りとなれるよう一層努力していきたい」と誓った。
選手強化について、ゼネラルマネージャーを兼任する細貝社長は「選手をプッシュして強いチームを作り上げたい。攻撃型のサッカーに結果(勝利)を加えて、このサッカーを見たいという人が増えるよう頑張りたい」と力強く語った。
▲「選手の自覚も見直したい」と気を引き締める細貝社長
ザスパークを寄贈
ベイシアグループはザスパがJFLに所属していた2004年から支援を開始、ベイシアとカインズがオフィシャルユニホームパートナーとなった。カインズは2024年5月、企業版ふるさと納税を活用して前橋市ローズタウンサッカー場「ザスパーク」を寄贈し12月には単独筆頭株主となっていた。


