80年ぶり前橋で弁慶復活
松本幸四郎さん７月27日公演

2025.05.22

　武蔵坊弁慶、80年ぶりに前橋に雄姿を見せる－。前橋空襲、終戦からわずか２カ月後の1945（昭和20）年10月、疲弊した前橋市民を元気づけようと、七代目松本幸四郎が披露した「長唄橋弁慶」。80年の時を経て、ひ孫にあたる十代目松本幸四郎さんが７月27日、昌賢学園まえばしホール（前橋市民文化会館）で再現する。チケットは５月23日から販売する。

疎開した七代目が恩返し公演

　七代目松本幸四郎は1945年５月、家族と共に前橋市に疎開した。空襲の危機が迫る７月下旬、四万温泉に移り、終戦後の９月、東京に戻った。

　「自分の命が助かったのは前橋へ疎開したおかげだ。自分の芸を通して市民を元気づけたい。市の復興にいささかなりとも協力させていただきたい」と自ら発案、10月に前橋公園に仮設舞台を設け、「橋弁慶」で得意とする弁慶を演じた。

　公演は「戦災前橋復興舞踊大会」として開かれ、市民が無料で招待された。

▲80年前の復興舞踊大会を紹介する資料＝前橋空襲と復興資料館

幸四郎、染五郎さん親子共演

　十代目松本幸四郎さんの公演は「前橋空襲と復興資料館」の開館を記念して前橋市が企画、七代目の前橋公演を映像で見たことがあるという十代目が出演依頼を快諾した。

　弁慶を十代目、牛若丸を十代目の長男、八代目市川染五郎さんが演じる。

▲十代目松本幸四郎さん（松竹提供）

▲八代目市川染五郎さん（松竹提供）

　記念公演では「橋弁慶」の上演のほか、幸四郎さん、染五郎さんと小川晶前橋市長、資料館検討委員会委員長の手島仁さんがトークセッションする。

　80年前の舞踊大会に初代、二代目が出演した三代目若柳吉駒さんを招いて当時の映像を放映しながら歴史的経緯を考える企画もある。

５月23日午前９時から販売

　チケットは５月23日９時から、昌賢学園まえばしホール（前橋市民文化会館）窓口で販売する。公式ページは10時から、電話受け付けは13時から。

　※アイキャッチ画像は「戦災と復興」（昭和39年、前橋市）より。

前橋空襲と復興資料館開館記念前橋歌舞伎舞踊公演

お問合せはこちら: 027-221-4321(前橋市まちづくり公社)

・日時	2025年７月27(日) 会場16時、開演17時
・会場	昌賢学園まえばしホール（前橋市民文化会館）大ホール
・入場	6000円（消費税込み）、全席指定（小学生以上）
・チケット	昌賢学園まえばしホール（前橋市民文化会館）
・主催	前橋市まちづくり公社、前橋市